男性力!|漢方のはなし

3.男性力の低下と不妊との関係

■男性性器の構造

精子数

■自然妊娠の課程

自然妊娠の課程

1.射精

精子は、射精によって膣内へと放出されます。精子は子宮内腔から卵管膨大部へと進みます。元気な精子は支給の中で2~3日位は生き続けることが出来ます。

射精

2.排卵

卵胞が20mm位の大きさになると卵巣から腹腔に排卵する。排卵された卵子は卵管采にキャッチされm卵管膨大部に進みます。しかし、卵子の寿命は排卵後24時間位と短いものです。

精排卵

3.受精

精された精子は卵管膨大部で卵子と出会い受精する。精子は元気でなければ卵管膨大部まで到達出来ず、卵子の透明体を突き破って受精するためにはたくさんの精子の助けが必要となります。

受精

4.着床

受精卵は、分割発育しながら細長い卵管を潜り通って、無事子宮にたどり着きます。子宮内膜に着床し、更に分化して成長していきます。着床をもって妊娠成立となります。

着床

妊娠するためには・・・

男性側の条件として
(1)正常な性機能を持つこと
(2)元気な精子があること
が必要です。

「男性力」が低下すると、妊娠に大きな影響を与えます。実際に不妊の原因は男女半々を占めると言われています。

精子が成長するには3か月かかります

精巣

精子には成長周期があります。精巣の中には精子の元である精祖細胞がびっしり並んでいます。そこでおよそ72日間かけて出来た精子は、いったん精巣上体に約2週間貯えられ、そこで運動能力や受精能力を獲得してはじめて一人前の精子になります。
一方、長期間禁欲すると溜まっていた精子が劣化してしまい、受精能力が低下します。いつも元気な精子を作り出すために、週に1~2回は夫婦生活を持ちましょう。

男性力を高める生薬

食用蟻

蟻は自分の体重の400倍のものを持ち上げ、1700倍のものを引っ張ると言われています。
タンパク質や亜鉛、マグネシウムなどの微量元素が豊富に含まれ、古くから中国の歴代の皇帝太一が滋養強壮・強精食として食べてきたという歴史があります。

魚鰾

魚鰾は魚の浮き袋で、中国ではニベ科の魚・グチの浮き袋を炒って食用にしていたました。
高品質のコラーゲンや亜鉛などを豊富に含み「海洋人参」とも呼ばれています。

枸杞子

中国のことわざで「離家千里、勿食枸杞」(男性は家を遠く離れたら枸杞を食べてはならぬ)と言われている枸杞の実。
ビタミンや微量元素が豊富に含まれ、古くから「精をつける」食べ物として知られています。

鹿茸

牡鹿の生え始めの幼角のを乾燥させた物で、足腰の冷えや性機能の強化の代表的な生薬です。

なぜ日本人男性の男性力が低下してきているのか?実はストレスが主な原因と言われています。ストレスの多い男性は、明らかにテストステロンが低下します。イライラや憂うつなどの精神的なストレスや、仕事が忙しい、残業が多いなど肉体的なストレスが続くと、精子の発育や性欲に関わる男性ホルモンの分泌が低下してきます。もちろん加齢や食生活も影響しますが、若い男性のテストステロンの低下はストレスが大きな原因なのです!

規則な生活スタイルも「男性力」低下の一因です

深夜に働く人も多くなった今、体の健康なリズムを維持することはとても難しくなっています。帰宅が遅かったり、テレビやパソコン、ゲームなどで、つい夜不更かししたり何かと睡眠不足になりがちです。
ホルモン分泌には、昼と夜のリズムがあります。生活リズムが乱れると、ホルモン分泌も崩れてしまいます。遅くとも11時までには寝ましょう。
ファーストフード・外食などで野菜や亜鉛などのミネラル不足の方が増えています。栄養のアンバランス、食事時間が不規則だったり、食べなかったりなどは「男性力」低下をきたす原因になります。

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