男性力!|漢方のはなし
5.漢方から見た「男性力」
■中国医学では男性は8年ごとに体が変化していくと考えます。
男性は生まれてから24歳までは成長の時期であり、24歳~32歳ぐらいが男性力のピークとなります。
40歳を過ぎると男性力はすこしづつ衰え始めます。このような変化をもたらすことを漢方では『腎』の強さと考えます。漢方で言う『腎』とは西洋医学の腎臓とは少し違います。
中国医学の『腎』とは西洋医学の腎臓とは違います。腎臓の他、脳や生殖機能、免疫系、副腎や性腺、ホルモン分泌系なども含まれる「生命力」のことです。
こういった腎の働きを支えるものを「腎精」と言い、「腎精=人生」と考えます。腎性は両親から受け継いだ「先天の精」と、食事などから得られる「後天の精」から成り立っています。
■中国医学では男性は8年ごとに体が変化していくと考えます。
特に、妊娠力にも関わっている「生殖の精」と呼ばれる精子・卵子も腎性に含まれています。腎精の充実度が男性力や妊娠力に大きな影響を与えます。腎精が不足する浄チアを「腎虚」といいます。日本では40歳は男性の厄年で「男性力」の節目にあたります。ちょうどこの頃から腎虚が始まり、体力や性機能の低下がすすみ、男性ホルモンの低下にともなって精力低下やうつ症状など様々な病気もあらわれやすくなります。
一方、40歳未満でも過労やストレス、夜更かし、過度な飲食、偏食など生活スタイルの乱れによって腎精が消耗され、若い人でも「腎虚」になることがあります。このように年齢の割りに腎の働きが低下しているので「若腎虚」と言います。
■腎虚の症状
腰がだるい、痛い
根気が低下
性欲が低下
視力が低下
集中力、記憶力が低下
紙が抜ける、歯がグラグラする
骨粗鬆症