女性を美しくする生薬のいろいろ|漢方のはなし

1.女性本来の、自然の美しさを引き出す中国漢方

「きれい」という言葉には麗しさと品格を感じさせる響きがあります。女性は日々美しくありたいと願っていますが、生まれつき備わっている自然の美しさを引き出すのが中国漢方なのです。

漢方薬は植物の葉、茎、皮、実、根など、また動物や鉱物など、自然にあるものを利用しています。その種類はきわめて多く、豊かです。その中でも当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、川キュウ(せんきゅう)、地黄(じおう)、紅花(こうか)、桃仁(とうにん)などは、特に女性の美しさと健康にマッチした生薬(しょうやく)なのです。

月経、妊娠、出産は女性だけのものです。この生理機能に生命のエネルギーともいう べき「気(き)」と、からだ中に栄養分を与え巡らす「血(けつ)」、特にこの「血(けつ)」が女性の健康と美しさに重要な役割を果たしているのです。

女性は初潮を迎えてはじめて本当に女性らしくなります。生理のサイクルが順調であれば、いろいろなホルモンが溢れ、お肌も美しくなります。しかし、生理の乱れは、逆にお肌やからだの調子にいろいろな悩みやトラブルを引き起こします。月経不順は女性ホルモンのバランスのくずれによるもので、お肌の光沢をなくします。当帰(とうき)は血を増やし、月経を調節し、お肌をつややかにします。また、生理痛の多くは血の滞(とどこお)りによって起こり、顔にはシミも出やすくなります。川キュウ(せんきゅう)、紅花(こうか)、桃仁(とうにん)は血をサラサラにし、生理痛をやわらげ、シミをとり、潤いを持った光り輝くきめ細かい皮膚をつくります。

若い女性は貧血になりやすく、生理の量が少なく、基礎体温が低く、冷え性で、肌はカサカサ、ザラザラし、ふけが多くなりがちです。その時に、芍薬(しゃくやく)、当帰(とうき)、川キュウ(せんきゅう)、地黄(じおう)などを飲むと、血を生き生きとさせるとともに健康的なお肌になり、ふけがなくなり、生理が順調になってきます。

年を取るのは自然の摂理で、止むを得ないことです。しかし、当帰(とうき)、地黄(じおう)は細胞を活性化し、からだが持っているパワーをいかし、老化のスピードに少しブレーキをかけることができます。同じ補血薬(ほけつやく)の仲間の何首烏(かしゅう)は白髪を黒くさせてくれます。

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