女性を美しくする生薬のいろいろ|漢方のはなし
9.香附子(こうぶし)
雑草として嫌われていますが「気」と「血」の巡りを改善します。
香附子(こうぶし)はカヤツリグサ科の植物ハマスゲの魂茎で、芳香があり、性質は 平(へい)で、肝経(かんけい)に入ります。ハマスゲは関東以西の日本各地の日当 たりの良い砂浜や川原の砂地に生え、畑や公園では雑草として、薬でありながらむし ろ嫌われています。
肝気(かんき)の滞(とどこお)りによるみぞおちの痛みやストレス性の胃痛などに 香附子(こうぶし)は用いられ、胃の働きを活発にし、消化管にたまったガスを取り除いてくれます。
悩み・ストレスを原因とする、月経不順、生理痛に対し、香附子(こうぶし)は月経を 調節し、生理痛を止める作用があります。酢、塩、酒、しょうがなどで香附子(こうぶし) を加工し、七製香附丸にし、中国では幅広く使っています。
現代中国の中医・中薬の学者らが、「気」を巡らす働きのある香附子(こうぶし)を丹参 (たんじん)、芍薬(しゃくやく)、川キュウ(せんきゅう)、紅花(こうか)などと配合し、冠元顆粒(かんげんかりゅう)を作り出しました。「活血化オ(かっけつかお)」の薬として、血液循環の改善だけでなく、胸の痛み、肩こり、胸苦しいみぞおちの痛みなどにもよく使われています。
「ストレスは美容の大敵」です。ストレスがたまると気は滞(とどこお)り、イライラ、憂鬱 など自律神経失調症の症状と重なり合う琴が多く、目のまわりに小じわが出やすく、「気」 が滞(とどこお)れば「血」も「オ血(おけつ)」になりやすく、シミも出やすくなります。
香附子(こうぶし)を柴胡(さいこ)、芍薬(しゃくやく)、川キュウ(せんきゅう)などと配合した柴胡疎肝散(さいここかんさん)がストレスから来る諸症状の改善によく使われます。柴胡疎肝散がなければ、柴胡(さいこ)を主薬とした星火逍遥丸(せいかしょうようがん)と香附子(こうぶし)が含まれている冠元顆粒(かんげんかりゅう)と併用して使います。