女性を美しくする生薬のいろいろ|漢方のはなし

13.丹参(たんじん)

一つで四物湯(しもつとう)と同じ働きが期待できるほど

丹参(たんじん)はサルビアと同じ仲間でシソ科の植物タンジンの根です。それが赤い色をしていることから赤を意味する「丹」を、また大切なものを「参」といいい、合わせて丹参(たんじん)という呼び名が付けられました。「一味の丹参散(たんじんさん)、効は四物湯(しもつとう)と同じなり」という説があります。その働きは、血に栄養を与え、その流れを改善し、その結果「オ血(おけつ)」をとり、新陳代謝を活発にします〔活血化オ(かっけつかお)〕。きめ細かいしっとりとしたお肌を作り月経不順、無月経や産後の腹痛などによい効果をあげます。

若い母親は、乳房の形のくずれることを嫌い、母乳を与えないことが多く、それによって乳房にうっ血が起こり、乳痛、乳腺炎、乳房の中に塊が出来てきます。丹参(たんじん)を主薬とした消乳湯(しょうにゅうとう)はその名のとおり乳房の痛み、赤腫れ、しこりを改善します。乳房は非常に感情に敏感で、ストレスによるホルモンの乱れによって、乳房に張り、しこりを起こしやすくなり、特に乳癌、子宮癌の引き金にもなるので、丹参(たんじん)の「活血化オ(かっけつかお)」、ホルモンを調節する作用が期待されています。

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