どうします?その痛み|漢方のはなし
1.痛みは気血の流れが悪くなることや内臓の機能低下から起こる
痛みの治療は西洋医学と中国医学では違ってきます。それは痛みの原因のとらえ方やコントロールの仕方が大きく異なるからです。
西洋医学では、傷みをひき起こす物質を抑えたり、炎症を抑えて、痛みの感覚をマヒさせる薬が多く、まず安静にして体を休めることが基本です。
中国医学では、傷みそのものに対してよりも、傷みをひき起こす原因に対して治療を行います。原因は大きく分けて2つあります。1つは体の中の流れる気(体の基本物質であるエネルギー)、血[けつ](血液)の流れが悪くなって起こり、もう1つは老化や長年の病気などによって体や内臓の機能が低下して、筋肉や器官、組織に栄養が行かずに起こります。流れを悪くするものには風邪[ふうじゃ]、寒邪[かんじゃ]、湿邪[しつじゃ]、熱邪[ねつじゃ]などの外的原因と、体の中にできた内生五邪[ないせいごじゃ]、痰飲[たんいん]、お血[おけつ]など内的原因があり、これらによって起きる痛みを実証タイプの痛みといいます。老化や虚弱体質や気、血不足などによって起こる痛みを虚証[きょしょう]タイプの痛みといいます。