どうします?その痛み|漢方のはなし
2.傷みのメカニズム、それは経路のつまり
気と血が流れ、臓器と臓腑、あるいは臓腑と器官、皮膚などをついないでいる流れる道を経絡といいます。このうち太い流れを経脈[けいみゃく]、末端の枝分かれした細い流れを絡脈[らくみゃく]とよびます。経脈の流れが悪くなると痛みの症状が、絡脈の流れが悪くなるとしびれの症状が表れると考えています。この経絡上にあるのがハリやお灸で有名なツボです。この痛みやしびれの症状をひ証[ひしょう]といいます。ひには「つまって通じない」という意味があります。
人間の体は絶えず自然界の影響を受けていると考えています。風、湿気、暑さ、乾燥、寒さ、熱などの自然界の変化にうまく対応できなくなると、これらの外的原因(外邪)が経絡につまりをひき起こし、傷み、しびれが生じると考えています。六つあるので六淫の邪[ろくいんのじゃ]といいます。
また、体の外からだけではなく、臓腑の障害や生活習慣によって体の中に生じる邪(内風[ないふう]、内寒[ないかん]、内湿[ないしつ]、内燥[ないそう]、内熱[ないねつ])もあり、これらも痛み、しびれの原因となります。五つあるので内生五邪といいます。その他に体の中の気、血、津液[しんえき](体の中の必要な水分)、精(生命の基本物質)の不足によって、栄養が廻らずにおこる痛み、しびれもあります。