ガンと免疫|漢方のはなし

2.免疫機能はおもに免疫細胞とサイトカインによって実行されます

体の健康を守っている免疫機構は非常に複雑なシステムですが、実際に「前線」で働いているのはおもに免疫細胞とサイトカインと呼ばれる活性物質です。 免疫細胞はおもに骨髄の幹細胞から作られ、血液を通して全身のすみずみまで行きわたっています。

免疫細胞は種類が多く、それぞれ役割を分担しながら共同で働いています。その中でもガンと戦う上で特に重要なのが白血球に含まれている免疫細胞です。

●がん細胞や病原菌を攻撃する免疫細胞群

■顆粒球
・好中球
・好塩基球
・好酸球

■リンパ球
・T細胞
 ヘルパーT細胞、キラーT細胞
・B細胞
・ナチュラルキラー細胞
・ナチュラルキラーT細胞

■単球
・マクロファージ

■マクロファージ
貪食細胞(大食細胞)とも呼ばれています。全身をパトロールし、外敵(細菌、ウイルスなど)、あるいはガン細胞などを見つけると、自ら活性物質を分泌して他の免疫細胞に知らせると同時に、細菌、ウイルス、ガン細胞などを、自分の細胞内に取り込んで食べてしまいます。

■ヘルパーT細胞
免疫系のいわば「司令官」です。マクロファージからの情報を受けて、他の免疫細胞(ナチュラルキラー細胞、キラーT細胞、B細胞など)を活性化して、戦闘員を動員し、攻撃を指令します。

■キラーT細胞
免疫系の「特殊部隊」で、ヘルパーT細胞の命令を受け、細胞の数を増やして、ガン細胞に「特殊な毒」を吹き込みます。その毒が文字通りのキラー(殺し屋)で、ガン細胞をアポトーシス(自殺)させます。

■ナチュラルキラー細胞
攻撃力が強い「ミサイル部隊」で、サイトカインによって活性化されると、ガン細胞にドンドンミサイルを撃ち込んでガン細胞を壊滅させます。

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