ガンと免疫|漢方のはなし
10.抗ガン作用が注目される生薬ベスト3
1.生きた白樺に寄生する シベリア霊芝(チャガ)
ロシアのノーベル賞作家ソルジェニーツインが書いた小説「ガン病棟」で紹介されたシベリア霊芝(チャガ)は、作者自身がガンにかかり、チャガの服用で完治した実際の経験をもとに書かれたものです。
チャガは、シベリア地方の生きている白樺に寄生するキノコで、他のものと違って現段階では栽培することはできません。
この地方の人々は、チャガを古くからお茶がわりに飲んでおり、ガン患者がほとんど見られません。現在、シベリア地方のアレクサンドロフ市には、チャガの処方を書いた医師マースレニコフ博士の記念館があり、ソルジェニーツイン直筆の礼状が展示されています。
このチャガから、1983年に、ロシア薬局方指定医薬品として「ベフンギン」が認められ、各病院や研究機関でガン治療の実績をあげています。
2.中国では一番人気、活性の高い霊芝胞子
霊芝のエッセンスと言われる霊芝胞子に霊芝子実体と冬虫夏草菌糸体を合わせた健康食品です。夫々の素材を微粉末にしています。霊芝の名産地として知られる中国安徽省大別山で育まれた「赤芝」(せきし)を使用しています。赤芝は数ある霊芝の種類の中でも最も品質が高いとされています。
霊芝は「神農本草経」という古典にも記載され、古くから薬として使われてきました。その胞子の腫瘍抑制や免疫増強の効果は霊芝子実体の75倍ともいわれています。しかし、霊芝4?10株からわずか1gしか採れない非常に貴重なもので、各種のガンの補助治療としては、中国で一番活用されています。また、中期・末期ガンの治療や再発、転移の防止にも効果があることが中国のガン研究機関や多くの病医院で認められ、ガンの初期治療に推奨されています。
細胞の寿命は、遺伝子の中のDNAの両端についているテロメアという構造に左右されています。ふつうの細胞では、テロメアは細胞が分裂するたびに少しずつ短くなり、一定の長さまで短くなると細胞は分裂をやめ、寿命がつきて、死んでしまいます。しかし、ガン細胞はいつまでも分裂し続け、増殖し、死にません。
これは、ガン細胞にテロメガーゼという酵素が働いているからです。テロメラーゼという酵素は細胞が分裂するたびに短くなるはずのテロメアを修復するため、ガン細胞は死ななくなるのです。
霊芝胞子には、このテロメラーゼの働きを抑制する作用があります。そのため、ガン細胞を自滅させるのです。
3.清熱解毒薬のエース白花蛇舌草(びゃっかじゃぜつそう)
アカネ科の植物。白い花と蛇の舌のような形状の葉を持つため、中国ではこの名前がつきました。また、2枚の葉が対になっていて、「フタバムグラ」との和名があります。本品はエキス顆粒で、味にクセがなく、飲みやすくなっています。
中国では昔から消炎、殺菌、解毒、排膿(うみを出すこと)などに白花蛇舌草がよく使用されてきました。
最近では、胃ガン、大腸ガン、肝臓ガン、肺ガン、子宮ガン、乳ガンに対する治療効果が認められ、幅広く応用されています。
日本でも、医学、薬学の研究者によって、白花蛇舌草がガン細胞に対して、その増殖を抑制する作用があることが報告されています。(例えば、和漢医薬学雑誌2000年17巻)
白花蛇舌草という一見して奇妙な名前は、白い花と蛇の舌のような形の葉を持っていることからつけられたアカネ科の一年草です。植物全体を薬として使います。
中国で有名な抗ガン剤「天仙液」の主要成分です。しかし、日本では医薬品として認められていませんので、現在健康食品として中国から輸入されています。
もちろん、ガンだけでなく、発熱、口渇などがある方の感染症、炎症性疾患にもよく使われています。具体的にはウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、気管支炎、扁桃腺炎、腎炎、そして皮膚の炎症などです。