ガンと免疫|漢方のはなし
6.免疫がハイレベルで機能する条件
(1)免疫細胞の十分な数
病院や健康診断で血液検査をして「白血球が少ない」と言われたことはありませんか?それは、免疫細胞(兵士)の数が不足していることを意味しています。このような場合は当然戦う力が低下してしまいます。強い免疫機能を保つためには十分は免疫細胞の数が必要なのです。
(2)活性化された免疫細胞
免疫細胞(兵士)の数がたとえ十分であっても、「病弱、幼稚な者」ばかりでは戦力になりません。例えば、白血病は、幼稚な白血球が増えすぎて、かえって免疫力を失ってしまった病気なのです。免疫細胞が兵士として精力的に戦うには、まずその前に強くたくましく、活性化していかなければなりません。
(3)良好な血液循環
免疫細胞の働きはチームワークなので、互いの情報交換のために故障のない迅速な交信ネットワークのメッセンジャー役が様々なサイトカインで、そのルートはサラサラと流れている血液です。
ストレスや肥満症などは活性酸素を発生し、酸化物質を増やし、血液の流れを悪くして、免疫細胞の働きを抑えてしまいます。
(4)栄養、エネルギーの供給
免疫細胞を増やすためにも、サイトカインを作り出すためにも、また免疫細胞がガン細胞と戦うためにも、十分な栄養とエネルギーが必要です。ガン細胞は、普通の細胞よりも大量に栄養を奪い取ってしまいますから、体全体が弱くなって、免疫細胞もガン細胞との戦いに勝てず、負けてしまいます。
(5)良好な精神状態
免疫系は、生体内で独立したシステムではなく、自律神経系や内分泌(ホルモン)系などにも深く関係しています。免疫系が機能するには、心身ともに良好なコンディションが必要です。「3分間笑えば、ナチュラルキラー細胞などの免疫細胞の働きが何十倍も上がる」と言われています。ガン患者に、落語や漫才を聞かせて、延命、治療効果を上げている病院もあります。