ガンと免疫|漢方のはなし

7.中国漢方の免疫に関する考え方の基本は五臓と気・血・水です

中国漢方では、免疫力に関して、五臓六腑(ごぞうろっぷ)の機能と気(生命エネルギー)、血(血液)、水(血液以外の体の中を流れる液体)の代謝が大事だと考えています。

五臓とは肝、心、脾、肺、腎を、六腑とは胃、小腸、大腸、胆、膀胱、三焦をそれぞれ指しています。その機能は、西洋医学の考えとはかなり異なり、幅広い概念を持っています。 三焦(さんしょう)は、西洋医学には言葉はありません。三焦とは、気、水の流れる道のことで、スムーズに流れるかどうかは五臓の働きしだいであると中国漢方では考えています。

五臓と六腑の関係
五臓:肝・心・脾・肺・腎
六腑:胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦

気、血、水は生命を営むために必要な基本物質であり、気、血、水が充実し、順調に体の中を巡っていれば、健康は維持できます。逆に気、血、水が不足したり、その流れが乱れたりすると、正常な生理機能に様々な障害が生じます。例えば、ストレスがたまると、気の巡りが悪くなり、血液循環も悪くなってしまいます。その結果、免疫機能が低下し、活性酸素も過剰に発生します。このような状態では、ガンの予防はおろか、治療にとってもマイナスです。

また、ガンが発生すると、ガン細胞とその炎症反応により大量の毒素と有害産物が体内にたまり、気、血、水のめぐりを悪くします。それによって、気滞(気の流れが滞った状態)、お血(血液がドロドロになり、流れが悪くなったり、あるいは血管の外に血液がもれた状態)、淡湿(不要な水分や老廃物が体内にたまった状態)が生じて、腫れ、むくみ、痛み、発熱などの症状が現れてきます。 

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