免疫を調整する生薬のいろいろ|漢方のはなし
2.身体を守る免疫システム!
「異物」だけを排除する生体の防衛反応
免疫とは身体に初めからそなわっえいるものとそうでない「異物」とは区別して、異物だけを排除、攻撃しようとする、生体の防衛反応です。
このメカニズムは極めて複雑ですが、骨髄を起源とする血液の中の細胞が中心になり、これに脳内物質、ホルモン、自立神経など様々な要素が関与して、調整されていると考えられています。
例えば、けがをして最近やウイルスなどが身体に入り込もうとすると、白血球の一種である好中球が細菌を攻撃します。
続いて貧食細胞とも呼ばれるマクロファージが攻撃を始めます。マクロファージはその名のとり、何百もの細菌を食べてしまいます。これは血液の中にも含まれていますが、リンパ節、肝臓、脾臓、肺などにも多く分布しており、ガン細胞も食べてしまうことが分かっています。
けがぐらいでしたら、好中球やマクロファージだけでも充分に身体を守ることができるのですが、強い細菌、ウイルスなどが浸入すると、さらに多くの免疫システムが発動します。
その中でも重要な働きをするのがT細胞、B細胞、それにNK(ナチュラルキラー)細胞です。病原菌が体内に入るとB細胞はT細胞の援助を受けて、抗体、補体などを作り、攻撃を始めます。そしてウイルスにすでに感染した細胞はT細胞とNK細胞が退治してくれます。
ここに出てきたマクロファージ、B細胞、NK細胞はみな骨髄で出来た多能性幹細胞というものが起源であり、T細胞はさらに胸腺で生育したものです。
中医学では腎(じん)が健康でなければ骨髄、胸腺などは正常に機能しないと考えています。