免疫を調整する生薬のいろいろ|漢方のはなし

24.過剰な免疫反応を抑制する生薬 キョ風薬(きょふうやく)

●過剰な免疫反応を抑制する生薬 柴胡・防風・麻黄

柴胡(さいこ)・防風(ぼうふう)・麻黄(まおう)はカゼ薬としてよく使用されます。これらにはアレルギーのもととなるアレルゲンを中和したり、ヒスタミンなどのアレルギー伝達物質の放出を抑制する働きがあるので、アトピー、花粉症、喘息の治療にも応用されています。

●気(き)の流れを調節し、ストレスを発散する柴胡(さいこ)

柴胡(さいこ)には解鬱(げうつ)というストレスを発散する働きがあり、全身の気(き)の流れを改善し、免疫を調節することができます。頭痛、胃痛、腹痛、食欲不振、吐き気、胸や脇のあたりのつかえ、動悸、息切れ、冷えのぼせ、イライラをはじめ、ストレスで悪化する様々な症状や病気の治療に応用されています。

●リウマチの痛みに・・・防風(ぼうふう)

風(ふう)を防ぐ働きがあることから、この名前が付けられました。よく風(ふう)は万病のもとと言いますが、中医学では風(ふう)は病気の運び屋だと考えています。例えば、初期のリウマチではまるで強い風が急に吹いて痛みを運んで来たように、手がこわばったり、突然関節が痛くなったり、あるいは痛む場所が移動することがあります。このような状態を防風(ぼうふう)は改善します。

●喘息、むくみに・・・麻黄(まおう)

麻黄(まおう)の主要な成分の一つにエフェドリンがあります。これは気管支を広め、喘息などによる呼吸困難を改善する働きがあります。また、発汗、利尿作用にも優れていることから、カゼ、喘息、リウマチなどで、むくみや排尿困難などの症状を伴う場合によく使用されます。

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