免疫を調整する生薬のいろいろ|漢方のはなし

9.免疫を促進する生薬 補気薬 黄耆(おうぎ)

●腎臓の働きを活発にする

黄耆(おうぎ)の特徴としてまずあげられるのが、肌を丈夫にするということです。肌を引き締め、粘膜を強化することによって、病気が身体に入ってくるのを予防する働きに優れています。

内臓の働きを活発にするので、胃下垂、脱肛、遊走腎などの内臓下垂を治療する働きもあります。また、腎臓の働きを活発にして腎炎によるタンパク尿や排尿困難といった症状の改善にも使用されます。

●他の生薬(しょうやく)の働きをも強める

漢方薬は生薬(しょうやく)をいろいろと組み合わせることによって、その働きを強めることができます。黄耆(おうぎ)は防風(ぼうふう)、白朮(びゃくじゅつ)を加えるとさらにその力が強まることから、『玉(ぎょく)で作られた屏風』=玉屏風散(ぎょくへいふうさん)と呼ばれ、中国では体質を強化する薬として知られています。

また、利尿薬や補血薬と合わせて使うことにより、それらの作用を高める働きがあります。防已黄耆湯(ぼうぎおうぎとう)や十全大補丸(じゅうぜんだいほがん)などは、その特徴を活かした組み合わせの妙と言える処方です。

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