免疫を調整する生薬のいろいろ|漢方のはなし
19.からだを潤す働きをする 補陰薬 五味子・麦門冬
●正気(せいき)が漏れ出るのを防ぎ、交感神経と副交感神経をコントロール
五味子(ごみし)は薬膳の材料としても良く使われている生薬(しょうやく)です。
独特の酸味があり、この味が身体を引きしめ、喘息、発汗、遺尿、遺精などを抑え、身体に潤いを与えるはたらきがあります。また、免疫調整と関係の深い交感神経と副交感神経のバランスをコントロールすることにより、免疫を調節したり、血糖値を下げる働きがあります。
●皮膚や粘膜に潤いを与える麦門冬(ばくもんどう)六味丸+五味子+麦門冬=八仙丸
皮膚や粘膜はある程度潤っていることによって免疫力を発揮することができます。ところが肺と胃は「外」とつながっているので、非常に乾燥しやすく、乾燥しすぎると細菌などの感染を受けやすくなります。
麦門冬(ばくもんどう)は肺、胃そして皮膚を潤す働きがあるので、乾燥肌やほてり、乾燥による痒みを抑える働きがあります。六味地黄丸(ろくみじおうがん)に五味子(ごみし)、麦門冬(ばくもんどう)をプラスしたものが八仙長寿丸(はっせんちょうじゅがん)=八仙丸(はっせんがん)です。