生理不順|女性のための漢方
漢方医学
漢方では、生理不順は「血」の異常や精神的なストレスが主な原因と考えています。
もともと貧血体質だったり過剰なダイエットをしていると、身体の血が不足した「血虚」という状態になります。
このような場合、生理が遅れがちになったり(稀発月経)、無月経になることがあります。
漢方治療としては、身体の血を補う効果のある漢方薬を用います。
また、身体に血液が十分にあっても血液そのものがよどんでいて、血流が悪くなり、生理不順になることがあります。このようなときは月経周期が短くなり、ひどいときは一ヶ月に2度も3度も生理がくるようになります。
このような生理不順の治療には、血をきれいにしてホルモンバランスを調えるような漢方薬を用います。
ストレスや精神不安から生理不順になるときは、精神を安定させホルモンバランスを調える漢方薬を用います。
子宮や卵巣の発育不全には、子宮や卵巣の働きを活発にする漢方薬が用いられます。
※漢方を服用する場合は、自己判断せずに、漢方の専門知識のある医師、薬剤師に相談しましょう。
西洋医学
生理周期や生理の期間が不安定だったり、生理の量が多かったり、少なかったりすることを生理不順といいます。
生理不順に悩まされている女性はかなり多いですが、一番の原因はホルモンバランスの崩れが考えられます。
初潮後の1~2年はまだ卵巣の働きが十分でないため、生理不順になりやすいですし、更年期に差し掛かるころもまた、生理不順になりやすいといえます。
初潮になって数年たっても、生理不順が改善されない場合は、子宮や卵巣の発育不全、子宮筋腫や子宮内膜症などの原因も考えられるので、そのような場合は婦人科での検診を受けた方が良いでしょう。
また、生理不順はストレスや環境の変化が原因となることも多く、精神的な悩みが原因で生理が止まることもよくあることです。
正常な生理は25~35日周期で、5~7日間続くのが正常な範囲のものです。これらの範囲を超えていれば生理不順といえます。
西洋医学では、主にホルモン注射やホルモン剤などを服用する治療法が用いられますが、症状によっては排卵誘発剤やピルなどを使うこともあるようです。
ただし、こういった生理不順の治療法は根本的な治療とはいえません。場合によっては体内のホルモンを作る機能が衰え、かえってホルモンバランスを崩す原因にもなりかねません。
日常生活
生理不順を治すにはホルモンバランスを整え、余計なストレスをためないことが大切です。
そのためにはバランスの取れた規則正しい食生活を心がけ、十分な睡眠を取る事が必要です。薬に頼るだけでなく、生活面での改善も大切なポイントとなります。
※医師・薬剤師に、ご相談の上服用してください。
生理不順の漢方の実例
生理不順、下腹部の痛み、オリモノが、漢方薬を服用して改善しました
女性 21歳 生理不順 下腹部の痛み
3年ほど前から、うすい黄色っぽいオリモノが出るようになったそうです。
また、2年前からは下腹部が痛むようになり、生理も不順気味で3ヶ月~4ヶ月ないこともあります。
婦人科では、子宮の発育不全と言われたそうです。
まだ独身ですが、妊娠や出産に影響があるかもしれないと言われました。
症状をお聞きすると、この方は血流が悪くホルモンバランスも崩れているようです。
また、生活が不規則なため、ストレスもあります。
まずは、血の巡りを良くしてホルモンバランスの乱れによる症状を整え、ストレスも緩和できるような漢方薬をお出ししました。
また、日常生活についても、アドバイスをさせていただきました。
漢方薬を服用して、14日後に生理になったそうです。
同じ漢方薬を続けていくと、下腹部の痛みが改善して、オリモノほとんど下りなくなりました。
生理はまだ不定期ですが、少しずつ改善に向かっているそうです。