多汗症|女性のための漢方

漢方医学

多汗症は漢方では虚弱タイプの人に多くみられます。虚弱タイプは身体全体に力がなく、皮膚のしまりも悪いため、汗も出やすくなります。
一見、体格がよくガッチリタイプに見えても、多汗症であれば虚弱タイプの場合が多いといえます。
このような場合によく用いられる漢方処方に、 防巳黄耆湯ボウイオウギトウがあります。防巳黄耆湯は色白の水太りタイプで、多汗症の傾向の人によく用いられる処方です。
また、特に肥満とは関係なくストレスや緊張症で手や額などに汗をかきやすい人がいます。局所性多汗症と呼ばれているもので、精神的なアンバランスが原因しています。
このような時は、精神を安定させ緊張を和らげる効果のある加味逍遥散カミショウヨウサンや桂枝加竜骨牡蠣湯ケイシカリュウコツボレイなどを用います。いずれの場合も体質改善が目標になるので、治るまでには多少の時間が必要となります。根気よく漢方薬を服用することが大切です。
多汗症の人は、水分を多く取っていることが多いようです。個人の体格によって多少の違いはありますが、普通、成人が一日に必要な水分は約1.5~2.0Lが目安です。運動で汗をたくさんかいたり、暑くて汗をかいたときなどは別として、日頃から水分のとりすぎには気をつける必要があります。 v また、身体を冷すと血や水のめぐりが悪くなります。その結果、胃腸や腎臓の機能が低下し、水分が排出されにくくなり、体内にたまります。この過剰な水分が汗となって、多汗症の原因になることもあります。クーラーや寒い場所での薄着にも気をつけたほうがよいでしょう。

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漢方医学

西洋医学

夏が近づいてくると、人間は汗をかくようになります。これは、体温を調節するために自然に起こる生理現象です。
しかし、汗のかき方にも個人差があります。一般的には女性よりも男性が、またやせている人よりは太っている人の方が汗をかきやすい傾向があります。
男性が汗をかきやすいのは、男性ホルモンに発汗を促す作用があるからで、太っている人が汗をかく理由は、皮下脂肪が厚くて、熱が身体の外に放出されにくいため、汗をかくことで体温を調節しようとしているからです。
汗を異常にかくことを 多汗症といいますが、最近この多汗症で悩んでいる人も増える傾向にあります。
多汗症には、運動や気温の変化などで全身にびっしょりと汗をかく全身性多汗症と、緊張したときなどに手のひらやわきの下などの、限られた部分に汗をかく局所性多汗症があります。
多汗症は多くの場合、体質的なものなので特に心配する必要はないのですが、脳卒中、糖尿病、肥満症、更年期障害、風邪などが原因となっていることもあります。

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西洋医学

日常生活

多汗症の方は、水分を多く取り過ぎる傾向があるので、ジュース、コーヒーやお茶などの水分を取り過ぎないようにしましょう。
また、過食を避けバランスのよい食生活を心がけましょう。
薄着やミニスカートなどによって身体を冷やし過ぎないようにしましょう。身体を冷やすと、余分な水分が身体に溜まり、汗の原因となります。

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日常生活

多汗症の漢方の実例

長い間、悩んでいた多汗症の症例

長い間、多汗症で悩んでいるとのことで相談を受けました。
身体全体に汗をかきやすいのですが、人と接したり緊張しても汗をかくことがあります。
汗をかき始めるとびっしょりとかいてしまい、最近は、以前よりひどくなってきたとのことです。
痩せ型で胃腸が弱く、下痢をしやすいです。
この方は、痩せ型で胃腸が弱いなどの症状から虚弱タイプと判断し、虚弱タイプの方に用いる漢方の処方で、精神的な緊張を和らげ過剰な水分を排出し、多汗症を改善する漢方薬を処方しました。
多汗症の漢方薬の服用を始めて一ヶ月、下痢をしなくなり、身体も疲れにくくなりました。3ヵ月の服用が終わるころには、以前より汗をかかなくなってきました。
その後も少しずつ汗をかく量が少なくなり、6ヶ月後には全身にも、また、緊張しても汗が気にならないようになりました。

冷え性を伴った多汗症の症例

10代のころから、手のひら、足の裏、脇などに大量の汗をかくようになり困っていました。
たまたま当店のホームページを見て、漢方薬でも多汗症が改善できることを知って来店したとのことです。
夏場が特にひどく、朝おきると手に平や足の裏がしっとりと湿っています。
痩せ型で冷え症、生理痛が強く生理不順があります。
この方は虚弱~中間タイプと判断して、水分代謝を調え多汗症を改善するとともに、冷え症や生理異常に効果のある漢方薬を処方しました。
30日分を服用した後に症状を伺うと、生理痛が楽になり多汗症もやや良い感じがするとのことでした。さらに同じ処方を継続していただきました。
その後も、一歩ずつという感じでしたが、少しずつ改善がみられ5か月後には多汗症の症状が気にならなくなりました。
また、冷え症や生理痛なども楽になってきているそうです。

出産した後から汗をかくようになりましたが、漢方薬を服用して改善してきました

女性 30歳代 多汗症

2年前に二人目のお子さんを出産をしました。
その後体重が増えて、汗をかくようになり悩んでいるとのことでした。
汗は脇の下や顔、頭にかきます。
元々は肥満体質ではなかったそうですが、出産後は体重が落ちず、それも悩みの一つとのことです。
できれば、漢方薬で汗をかきやすい体質を改善し、体重も減らしたいとのことでした。

この方には、日常生活のアドバイスもいくつかさせていただきました。
その後に、症状をお聞きした上で多汗症と肥満を改善できるような漢方薬をお出ししました。
始めは変化が見えませんでしたが、漢方薬を服用して2カ月を過ぎるころから汗の量が減ってきたとのことでした。
体重も2~3kgくらい落ちているとのことです。
その後、半年ほどで汗が以前の1割くらいにまで減ったそうです。
体重も最初に比べると6kgは痩せたとのことで、とてもうれしいとのことでした。
漢方薬は、今後もぜひ継続していきたいそうです。

手のひらや足の裏に汗をかきやすく、匂いも気になっていましたが、漢方薬を服用して改善

女性 20歳代 多汗症

以前から、手のひらや足の裏、脇の下などに汗をかいて悩んでいました。
夏場は特にひどく、一度汗をかくと止まらなくなり、匂いもとても気になります。
今まで、様々な治療法を試してきましたが効果はありませんでした。
たまたま、同じような症状だった知り合いが、当店の漢方薬で改善したことから紹介されての来店でした。

症状をお聞きしたところ、普段から緊張しやすい性格で、人と会った時などに汗をかくことが多いとのことでした。
そうしたことから、緊張感をやわらげて自然に発汗を抑えられるような漢方薬をお出ししました。
最初の一ヶ月は変化が見られませんでした。
二ヶ月後には、汗の量が減ってきたように感じるとのことです。
以前より緊張することもなくなってきました。
約半年後には、汗をかく量が1/3くらいまで減りました。
その後も継続していますが、匂いも気にならなくなり、着実に改善しています。

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