周期療法(不妊症治療)|女性のための漢方

周期療法とは?

妊娠イメージ 現在6組に1組が不妊症で悩んで います。
西洋医学の不妊症治療の人工授精、体外受精を受ける方が増えています。しかし、 不妊症治療は高額な費用がかかり、女性の心や身体にも大きな負担をかけています。
また、排卵誘発剤の使用を続けることによって、妊娠しにくい身体になることもあります。
周期療法は、中国で開発された新しい不妊症治療のことです。
基礎体温をもとに、生理周期を4つに分けて、それぞれの時期にあった漢方薬を服用していく、西洋医学と東洋医学の考えを組み合わせた不妊 症治療です。
一人ひとりの生理周期や基礎体温にあわせて、漢方薬を組み合わせていきます。

理想的な基礎体温

生理周期は人によって違いますが、通常25~35日とされています。基礎体温はその方の、身体の状態を表す情報の宝庫です。
生理の始まりから2週間前後を低温期といい、体温の低い状態。排卵をはさんで体温の高い高温期へと移行します。妊娠には、いくつかの以下のような条件が必要です。

理想的な基礎体温

妊娠に必要な基礎体温の条件

  • 低温期と高温期の二相性であること。
  • 低温期から高温期の移行がスムーズで、3日以内に行われること。
  • 低温期と高温期の体温差が0.3~0.5℃の範囲内であること。
  • 高温期が12日~14日続くこと。

生理周期とホルモン、子宮内膜の変化

理想的な基礎体温

基礎体温は低温期には、卵胞ホルモンの分泌が多く、排卵が起きると黄体ホルモンの分泌が多くなり、高温期となります。
子宮内膜は、生理が終わると妊娠にそなえて厚くなり、排卵以降にはさらに厚くやわらかくなります。
排卵が近づくと、精子を通過しやすくするために子宮頸管から、粘液が分泌されて受精しやすくします。
不妊症治療に用いられるクロミッドなどの排卵誘発剤は、排卵率は高いのですが、着床率はけっして高いとはいえません。その理由としては、クロミッドなどには子宮内膜が厚くなるのを妨げたり、子宮頸管の粘液を減少させ 、妊娠させにくくする側面ももっているからです。 このようなことを防ぐのには、漢方薬の併用が有効です。

周期療法(不妊症)の4つの周期

理想的な基礎体温

生理期

子宮の中の大掃除の時期
いらなくなったものを、全て体外に排出する手助けとなる漢方薬を用い、新しい子宮内膜をつくる準備をします。

卵胞期

卵を育てる時期
よい丈夫な卵を育てるため、血を増やしたり、ホルモンの働きをよくする漢方薬を用います。

排卵期

育った卵が排卵したり、もっとも受精しやすい時期
排卵をスムーズにする漢方薬を用います。

黄体期

子宮内膜が厚くなり、受精卵を着床しやすく成長させる時期
ホルモンの分泌を助け、子宮に新しい血をおくりこんで、受精卵を成長させる漢方薬をもちいます。

妊娠しにくい基礎体温

妊娠しにくい方の基礎体温には、いくつかのパターンがあります。いくつかのケースを下にのせています。あなたに近い基礎体温表をクリックしてみてください。詳しい説明がでてきます。

高温期のないタイプ

高温期のないタイプ

正常な基礎体温は低温期と高温期の二層に分かれることが必要です。

このタイプは、無排卵、無月経に見られます。西洋医学では卵巣機能不全、多嚢胞性卵巣症候群、高プロラクチン血症などが考えられます。
このタイプは排卵がないので、周期療法を行うことが難しいです。腎を強くしたり、血行をよくするなどの基礎的な身体作りが大切です。

波動の激しいタイプ

妊娠には、基礎体温の波動が安定していることが必要です。

波動の激しいタイプ

このタイプはストレスが多く、自律神経が不安定な方によく見られます。西洋医学では高プロラクチン血症、月経前緊張症、自律神経失調症などが考えられます。
このタイプはストレスによって、体温が不安定になっています。ストレスを和らげる漢方薬を用いて治療します。

高温期が低いタイプ

妊娠には、低温期と高温期の差が0,3~0,5℃必要です。

高温期が低いタイプ

このタイプは、高温期と低温期の差が0,3℃未満で、西洋医学では黄体機能不全などが考えられます。
この場合は、高温期のみの問題ではなく、低温期にしっかり腎を補うことが必要です。腎を補うことによって、よい卵子をつくり排卵を促します。

高温期が高すぎるタイプ

妊娠には、低温期と高温期の差が0,3~0,5℃必要です。

高温期が高すぎるタイプ

このタイプは、温度差が0.5℃以上あるタイプです。西洋医学では黄体萎縮不全、月経前緊張症候群、ホルモンバランスが悪いときに見られます。
高温期が高すぎると、受精卵が着床しにくい状態になっています。漢方では、身体の過剰な熱をさます処方を用いて、着床しやすくします。

高温期が短すぎるタイプ

妊娠には、高温期が12日以上維持することが必要です。

高温期が短すぎるタイプ

このタイプは、不妊症の方に比較的よく見られるタイプです。卵子の成熟が悪く排卵が遅れ、その結果、黄体ホルモンの分泌が悪くなります。西洋医学では黄体機能不全、軽度の排卵障害が見られます。
漢方では、卵胞の発育をよくし、排卵をスムーズにさせるために、腎の働きを補います。また、血を補い、流れをよくする漢方薬も用いて、妊娠しやすい身体づくりをします。

高温期の移行が長すぎるタイプ

低温期から高温期への移行は3日以内に行われることが必要です。

高温期の移行が長すぎるタイプ

このタイプも不妊症の方に、比較的よく見られます。西洋医学では黄体機能不全、排卵障害、高プロラクチン血症などが考えられます。
このタイプは排卵期に「おけつ」(血液がドロドロの状態)やエネルギー不足などで、体温の上昇を妨げるケースが考えられます。
気のめぐりと血の流れを改善し、治療します。

不妊症の漢方の実例

高年齢の不妊症の症例

35歳で結婚したのですが、子宝に恵まれません。病院で不妊治療も何回か試みましたが、うまくいかなかったとのことでした。
ここ数ヶ月、病院での不妊治療は休んでいましたが、知り合いに漢方での不妊症の治療を勧められて、来店したとのことでした。
中肉で体力も人並みにあります。多少のぼせやすく足が冷えます。生理は定期的にありますが、生理痛が強いとのことです。生理時以外でも下腹部が痛むことがあります。また、肩こりも強いとのことでした。
年齢的なこともあり、早く妊娠したいとのことでしたが、自然に元気な赤ちゃんを授かるには、あせらずゆったりした気持ちで過ごすことも大切です。そのことを説明して 、体質に応じた漢方薬を処方しました。
この方は2ヶ月後に妊娠したとの報告を受けました。
漢方による不妊症の治療は、ホルモン剤を投与したり、排卵誘発剤を使ったりといったことはしません。女性が本来持っている生理の周期や、ホルモンバランスを正常に戻すことによって、妊娠しやすい身体作りをしていくのです。
つまり、漢方による不妊症の治療をおこなった場合、副作用の心配はほとんどありませんし、逆に場合によっては、西洋医学の不妊治療で起こりがちな、さまざまな副作用を和らげることもあります。
ただし、漢方での不妊症の治療は自己判断せずに、漢方薬の専門知識のある医師か薬剤師に相談して行なうことをおすすめします。

アンバランスな基礎体温の症例

7年前に女の子を出産しました。二人目を希望しているのですが、いっこうに妊娠する気配がないとのことでした。基礎体温は高温期と低温期の差がはっきりしません。
冷え性で疲れやすいです。生理は28~45日周期で痛みは強く、鎮痛剤を服しているとのことです。顔面がカサカサしているのが気になるとのことでした。
虚弱タイプと考え漢方薬を処方しました。服用し始めて、二ヶ月くらいで症状がおちついてきました。
この漢方薬は補血作用があり、血行をよくして生理周期の長い方を正常な周期に治療しますし、肌のカサカサ感は漢方では血虚と呼ばれ補血にすることによって、これも改善されました。
3ヵ月後には基礎体温表の高温期と低温期がはっきりしてきました。
しかしこの方の場合、漢方の服用を始めて四ヵ月後に地方へ引っ越されたので、その後妊娠したかどうかは不明です。ただ、漢方の服用を始めてから冷え性が改善し、生理痛が楽になって、乱れていた基礎体温の高低がはっきりしたことは確かといえるでしょう。

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