ストレスにやさしい生薬のいろいろ|漢方のはなし
2.ストレスと生活習慣病
まずは胃や腸に影響が
最近急増している糖尿病・高血圧・高脂血症などの生活習慣病やアトピー性疾患・悪性腫瘍(がん)もストレスと密接な関係があると言われています。
ストレスをためると悪いということは多くの方が知っています。ストレスを発散するために自分の趣味を優先し、時には、思い切って休みを取るということも必要です。しかし、休みを取って旅行に行っても日程やスケジュールに追われ、とてもリラックスしているようには思えません。
また日本人は諸外国にくらべ何でも食べる民族ではありますが、比較的胃腸が弱いという特徴があり、胃下垂・便秘・下痢などの問題を抱えている方も少なくありません。
神経的にまいっている時に「胃が痛い」と表現するように、ストレスが胃腸に影響を与えやすいということは皆さんご承知だと思います。胃腸の機能が低下すると十分な栄養を吸収することが出来なくなりますから、体調が悪くなり、ストレスに対する抵抗力も弱くなってしまいます。中国では薬食同源という言葉があり、食事の良し悪しは病気の予防や治療に影響するという考え方から、ふだんの食生活の中に薬膳が取り入れられています。しかし、日本では便利さが優先し、食事のバランスなどに対する配慮がおろそかにされすぎているように思われます。
時には几帳面さが災いに
またストレスが長引くと身体の中に病理産物が蓄積され、これがまた新しい病気を引き起こします。外国では見られない、日本人特有の病気として「肩こり」があります。肩こりは主に血行不良によるものですが、ストレスは肩こりを助長して、場合によっては前進的な血行不良となり心筋梗塞や脳卒中を引き起こします。
勤勉で几帳面な性格と言われている日本人は、それだけストレスをため込みやすい民族であるということもできます。