ストレスにやさしい生薬のいろいろ|漢方のはなし

4.ストレスと中医学

「七情(しちじょう)」が病気を引き起こす

現代医学と中医学では言葉は違うものの、ストレスは様々な病気を引き起こすと考えている点は一致しています。

健康な状態を元気、そうでない状態を病気というように、気(き)と健康状態とは密接な関係があります。「気(き)」はエネルギーであり、体内での情報伝達物質でもあり、内臓や組織の動きがスムーズに行えるかどうかは、この気(き)の状態に影響を受けます。

中医学(中国伝統医学)では怒・喜・思・憂・悲・恐・驚などの情緒変化を「七情(しちじょう)」と呼んでいます。もちろんこれらは人間が人間らしく生きるためには必要不可欠なものではありますが、これらの精神的刺激が強すぎたり、長期間続くと気(き)の活動に影響を与え、病気を引き起こしたり、病気を治しにくくします。感情変化が気(き)や臓腑に与える影響は下のイラストの通りですが中でも心・肝・脾(胃腸)に与える影響は顕著です。

内臓を鍛え自分のタイプを知ろう

反対に、臓腑(ぞうふ)が弱い場合は情緒変化などのストレスの影響を受けやすくなるので、普段から内臓の調子を整えておくことも重要です。

 ここではストレスが身体に影響した結果、内臓・組織などの機能が停滞したタイプ[気滞(きたい)・肝陽上亢(かんようじょうこう)]、身体が衰弱したタイプ[気虚(ききょ)・血虚(けっきょ)・陰虚(いんきょ)]、病理産物が蓄積したタイプ[オ血(おけつ)・痰濁(たんだく)]に分けて、それぞれのタイプに効果のある生薬(しょうやく)を紹介します。 

[気滞(きたい)・肝陽上亢(かんようじょうこう)]
内臓・組織などの機能が停滞したタイプ

[気虚(ききょ)・血虚(けっきょ)・陰虚(いんきょ)]
身体が虚弱したタイプ

[オ血(おけつ)・痰濁(たんだく)]
病理産物が蓄積したタイプ

漢方のはなし