ストレスにやさしい生薬のいろいろ|漢方のはなし

3.現代医学とストレスの考え方

気分を憂鬱にし、抵抗力を低下

ストレスを引き起こす刺激には、温度・外傷・騒音など物理的なもの、不快な臭いなど 科学的なもの、対人関係など心理・社会的なものなど様々で、これらは時代が進むとともに更に多様化・複雑化していく傾向にあります。

過度のストレスは、イライラ・不安・抑うつなどの心理的反応、ギャンブルに熱中、アルコール依存症などの行動的反応、それに胃潰瘍・気管支喘息・偏頭痛などの身体的反応などを引き起こします。

これらが引き起こされるメカニズムは、まだ完全に解明されているわけではありませんが、脳内物質・内分泌系・免疫系・自律神経系などに影響を与えることが分かっています。

脳内物質とは脳が受けたさまざまな刺激を神経から神経に伝える物質で、神経伝達物質と呼ばれています。神経伝達物質のひとつセロトニンは気分の変調と関係していて、これが減少すると抑うつ状態になり、逆に増加すると気分が高揚して元気になることから、うつ病の治療薬として使われています。

慢性的なストレスは内分泌系に影響を与え、アドレナリン・ノルアドレナリン・コルチコステロイドなどのホルモンなどの分泌を増加させます。これらは高血圧・動脈硬化・糖尿病・心臓病など生活習慣病と密接な関係が有ります。

受験当日や結婚式の日に限ってカゼを引いてしまうということがあります。免疫は副腎皮質や胸腺・脾臓あるいはリンパ節と密接な関係がありますが、これらはホルモンや自律神経の影響を受けており、ストレスが免疫力・抵抗力を低下させて病気になりやすくするためだと考えることができます。

しかし、同じような状態にあっても病気になる人とならない人がいるのはなぜでしょう。これは病気の発生は外的刺激だけでなく内的要因も重要だということを現しています。

普段から睡眠・食事・運動・休息などの健康管理に心がけたり、病気は気からと言うようにしっかりした意志を持つことこそが、ストレス社会で生き抜く重要なポイントです。

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