ストレスにやさしい生薬のいろいろ|漢方のはなし

13.血虚を改善する生薬

婦人の宝、当帰(とうき)

当帰(とうき)はセリ科の植物の根で血液を補うだけでなく、血行を促進する働きがあります。婦人病をまとめて『血の道』ということがありますが、これは女性の病気は血液不足あるいは血行不良による物が多いということをあらわしています。生理中や、閉経を迎える頃になり生理が安定しなくなるとあらわれる、気分が沈む・不安感・少しのことが気になるなどの精神的な症状や、手足や足腰の冷え・頭痛・肩こり・習慣性便秘・手あれ・肌あれなども改善して女性の悩みを解消できることから、当帰(とうき)は古くから婦人病の良薬として使われて来ました。

最近の研究では、当帰(とうき)には女性ホルモンを調節する働きがあるということもわかり、多くの婦人病の治療薬には当帰(とうき)が配合されているという理由も科学的に証明されました。

もちろん直接女性ホルモンが含まれているわけではありませんので、男性でも血液不足あるいは血行不良という状態があるのならば、安心して使うことができます。

眼精疲労を解消する

枸杞子(くこし)はナス科の植物の実で、ビタミンA・B1・B2・Cやカルシウム、鉄分などを含み、かすみ目・眼精疲労・ドライアイなどの症状を改善する働きがあり、日本でも薬膳の材料として親しまれている生薬(しょうやく)の一つです。ストレスのためのぼせて目が赤くなるような場合には、ストレスを改善し炎症を抑える働きのある菊花(きくか)と合わせることにより効果を高めることができます。 神経衰弱による諸症状を改善する

竜眼肉(りゅうがんにく)はムクロジ科リュウガンの果肉で、中国では果物としても食べられています。血液を補う働きに優れ鎮静作用もあることから、不眠・健忘・驚きやすい・動悸などの症状がある場合によく使われます。

このほか止血作用もあり、虚弱に伴う不正出血・血尿・血便・血痰などにも応用することができます。

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