男性を強くする生薬のいろいろ|漢方のはなし

20.杜仲

杜仲(とちゅう)はネバネバが肝腎に効く 科学的にも次々と解明されている

杜仲(とちゅう)はトチュウ科の樹木、トチュウの樹皮を使います。日本で一時健康茶としてブームになった杜仲(とちゅう)茶は葉を用いたものです。ただし、日本の和杜仲は全く別のもので代わりに使うことは出来ません。

折ると糸を引くネバネバがグッダペルカというゴム類で、この中から有効成分を取り出すために、炒めてから煎じています。昔から中国では肝(かん)と腎(じん)を補う補肝腎(ほかんじん)の強壮薬としてよく使われています。具体的には骨や筋肉を強くし、流産を防ぎ、血圧を下げる働きがあります。最近の研究ではさらに

1)副腎、精巣の重量を増加する
2)肝臓でのタンパク質の合成、糖分の代謝機能を改善する
3)免疫力を強め、虚弱病態を改善する
4)記憶の低下と性行動の低下を抑制する

ことなども分かってきました。これらは動物実験の結果ですが、人にも期待できるとして愛用されています。

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