男性を強くする生薬のいろいろ|漢方のはなし
21.補骨脂(ほこつし)
骨・髄と脂肪を補うから補骨脂(ほこつし) インド原産の腎と脾の「補剤」
補骨脂(ほこつし)はマメ科のオランダビュの成熟した種子です。インド原産の一年生草木で40~90cmになり、種子は5mmほどで腎臓の形をしています。名前は効き目から来ている様です。よく知られた働きは、尿や精子などが自然に漏れ出していくのを防ぐ ことです。
中医学では腎(じん)と脾(ひ)を補う薬として使われ、腎陽虚(じんようきょ)の足腰の冷えと痛み、インポテンツ、勃起不全、頻尿などには菟絲子(としし)(ヒルガオ科ネナシカズラの種子)、巴戟天(はげきてん)、淫羊カク(いんようかく)、益智仁(やくちにん)(ショウガ科ヤクチの実)などとともに、また足腰の冷え、だるさには杜仲(とちゅう)、続断(ゾクダン)(マツムシソウ科トウナベの根)、狗腎(くじん)などとともに、脾(ひ)と腎(じん)の陽虚(ようきょ)タイプの人が明け方に起こしやすい腹痛、下痢などには肉豆寇(にくずく)(ニクズクの種子)、五味子(ごみし)(チョウセンゴミシの実)、呉茱萸(ごしゅゆ)(ミカン科ゴシュユの実)などとともに用いられています。