更年期のおはなし|漢方のはなし
3.不眠と脳の使いすぎ
眠れないのはつらい。でも睡眠薬に頼るのはイヤという方に、是非、漢方的な体質改善に取り組むことをお勧めする。漢方医学では、眠らせるより眠れる身体つくりが重要と考える。眠れる身体つくりは、 眠りのタイプによって違う。女性に最も多いタイプは、<血虚不眠>と言い、思い悩み、夜遅くまで勉強や仕事に追われたり加齢などでなりやすい。 眠りが浅い、よく目が覚める、夢が多い、眠ったつもりでも朝すっきり覚めない、などを特徴とする。酸棗仁(野生種なつめの仁)や竜眼肉(ライチのような乾燥果肉)を主薬とする帰脾錠・酸棗仁錠をよく使う。 帰脾錠は、朝夕服用し、酸棗仁錠は、寝る前一時間以内にまとめて一日量を一度に服用すると、 より早く効きめが現れる。日頃の養生として、なつめをお茶代わりに飲むか、甘麦大棗湯をお湯に溶かして飲むのも良い。
このタイプは放っておくと眠りが浅いだけでなく、だんだん寝つきが悪くなり眠れないことでイライラして、 ときには動悸や胸苦しい他に手足の裏がほてったり、のぼせたり、汗をかいたりが現れる。
これは、<血虚不眠>よりやっかいな<陰虚不眠>になった証拠で前述した薬では手に応えない<天王補心丹>を帰脾錠の代わりに使う必要がある。 はすの実やゆりの根を料理に積極的に使うのもお勧めです。すぐ眠りが良くならなくとも根気よく2、3ヶ月頑張ればかなり良くなるはずである。