更年期のおはなし|漢方のはなし
16.月経前症候群(PMS)
最近、若い女性に月経の5日~10日前ほどから、いろいろな不調を感じる方が増えています。具体的には乳房が脹る、乳房が痛い、むくみやすい、体が怠い、くよくよする、落ち込む、不安感、落ちつきがない、怒りっぽい、注意力や集中力の低下、頭痛や肩こり、睡眠障害、のぼせやすい、食欲不振、過食、腹脹や便秘など、多様です。
西洋医学では卵胞ホルモンと黄体ホルモンのアンバランスやプロラクチンの過剰分泌などが指摘されていますが、はっきりした原因は分っていません。。
中国漢方では、月経前症候群は女性ホルモンや自律神経の調節約にあたる肝(かん)の働きの乱れを整える疏肝理気(そかんりき)の働きがある星火逍遥丸(せいかしょうようがん)を使います。これにより女性ホルモンのバランスや自律神経の安定を図り、数ヶ月で症状の改善が可能になります。
舌の縁や先の部分が赤みの強い場合は星火逍遥丸(せいかしょうようがん)の変方であるである加味逍遥散(かみしょうさんさん)を、腹が脹る、ガスがたまる、食欲の異常、下痢したり便秘する場合には開気丸(かいきがん)を、少量加えたり、頭痛のひどい場合は頂調顆粒を、肩こりの強い場合は冠元顆粒を、むくみが気になる場合は柴苓湯(さいれいとう)を、このように個々の症状の特徴によって、ベースとなる星火逍遥丸に加えて使用すれば、なおさら早く効果がでます。月経前症候群に悩まずに漢方薬を味方にしましょう。