更年期のおはなし|漢方のはなし
14.乳腺症と更年期
乳房に境界のはっきりしないしこりが触れ、違和感や痛みを伴い、特に月経痛や月経時に痛みが強くなります。乳ガンではと慌てて病院にかけ込むが、いろいろ検査の末に乳腺症あるいは乳腺異形成と言われ胸を なでおろす方が多いのです。この乳腺症は卵胞ホルモンが活発すぎるために生じた乳腺増生で、特に終末部乳管の増生は前癌状態(癌化する恐れがある)として重要視されている。患者は30代~40代に多くみられるが、 更年期の女性では少出産、不授乳の方に発生しやすいといわれています。
西洋医学的にこれという治療法はないが漢方では乳房、特に乳頭と深いかかわりを持つ「肝」は性ホルモンの調節役で、肝の働きがうまく行っていると 性ホルモンのバランスも良いが、反対だと(肝欝気滞)性ホルモンのバランスが崩れるます。ちなみに精神的なストレスや不規則な生活は、肝の働きを乱します。
安産や適切な授乳の行為は、肝の働きを良くします。(疏泄)さらに規則正しい月経や安産は[オ血]を浄化する。ととらえるので治療としては、 [疏肝理気、化オ散結]の作用をもつ漢方薬をメインとします。
例えば逍遥丸ないし開気丸に田七人参を加えて毎日服用するのも良いが性周期を利用して、月経前に(約2週間前)逍遥丸ないし開気丸の量を増して使うと より効果が現れやすいです。その上この疾患はガン化する危険性があるので、日ごろ免疫力を高めるには、シベリア霊芝をお茶として使うのは良い手だと思われます。