更年期のおはなし|漢方のはなし
7.高血圧と更年期
寒い季節に血圧が上昇しやすいことは良く知られています。このように寒さが体に悪影響を与えることは漢方では「風邪」と言う。風邪には、収斂(縮ませる、閉じると言った意味)の特徴があり、 皮膚に影響を及ぼす場合は、毛孔が収縮して、汗がかかなくなります。血管に影響を与える場合は、血管が収縮して、血流が悪くなり、血圧が上昇する。漢方では、温陽通脈・活血化お(体を温めて寒さから守り、 血管の収縮を解除して血行をよくする方法)の働きを持つ生薬を用いて治療していきます。
代表的なものには皆さんの台所にもよくあるラッキョウ。 古くから使われ、薤白(ガイハク)とも呼ばれ、か楼薤白白酒湯という古典的な処方が良く知られています。
現在では、薤白は食用として用いられ、紅花・センキュウ・丹参などの生薬が繁用されます。これらの生薬によって構成される冠元顆粒はあまりにも有名。実際上、更年期の女性は、性ホルモンに変調で自律神経の バランスが崩れがちで、自立神経による血管の収縮・拡張の調節がうまくいかなくなることで、血圧の上下が激しく、コントロールしにくいケースがかなり多いのです。この場合は血管の収縮を緩和し、血流を良くする 活血化お作用のある冠元顆粒をメインとして服用し、さらに自律神経のバランスを整え、血管の収縮・拡張への調節がスムーズに行われる作用を持つ釣藤散や杞菊地黄丸を加えて併用すると大変効果が期待できます。 その他、簡便にできる方法として、冠元顆粒に香菊花茶を加える方法もあります。