更年期のおはなし|漢方のはなし

5.脂血症肥満

油っぽいもの、味の濃いもの、甘いものなどを漢方では「肥甘厚味」と呼び、摂りすぎると体にとって害をもたらす邪気となります。この邪気が血中に入ると、過剰な中性脂肪やコレステロールなどとなって、血液をドロドロ、ネバネバさせる、いおわゆる高脂血症を引き起こします。更年期になれば、若い時ほど消費エネルギー量も運動量も少なくなり、内臓の周りや皮下に沈着すると、内臓脂肪や皮下脂肪となって肥満になりやすくなります。

このような余剰脂肪分を漢方ではお血・痰濁(たんだく)の邪気とみなします。改善策として飲食過多は禁物で、とりわけ「肥甘厚味」を控えてほしいのですが、むやみに食事制限するよりも、むしろ体の余剰脂肪を処理する能力を高めて、 血中、内臓の周り、皮下に脂肪をたまりにくくさせるほうが良いでしょう。

そのためにお血を取り除く活血化お(かっけつかお)薬のトップである冠元顆粒が最適で、他には田七人参(でんしちにんじん)がおすすめです。痰濁(たんだく)を取り除くには、化痰瀉濁(かたんしゃだく)の作業がある温胆湯(うんたんとう)が良く使われます。 さらにお血も痰濁も取れるサンザシや漢方の酵素に相当する神曲(しんきく)、麦芽を主成分とする晶三仙(しょうさんせん)を飲むといっそう良いでしょう。この晶三仙(しょうさんせん)は油っこい料理の多い中国では多く過程で常備しています。

最近話題になっている三爽茶の主成分である柳茶(りゅうちゃ)は、血中の脂肪分だけでなく、すでに脂肪組織になっている脂肪分をゆっくり分解して再利用する力があるとして脚光を浴びています。

漢方のはなし