不妊症のおはなし|漢方のはなし

6.不妊症とお血

冷えの問題には意外に無関心な女性が多い

皆さんはお血(おけつ)の女性は妊娠しにくいという言い伝えがあることをご存知ですか。それは下腹部や太腿の付け根あたりが硬く感じられる場合のことで、その原因は中国漢方では血液の流れが 悪くなっていることを示します。その悪い血液の流れに起因するその他の症状として、月経が遅れる、生理痛がつらい、月経血に血塊が多い、色がどす黒く粘りがある、月経中に頭痛や肩こりが起こる、など月経に まつわる不調が多く見られます。

また舌に青紫、赤紫、どす黒い斑点が現れたり、目の周りや唇が黒ずむなどの症状も現れる。このように血の流れが悪い状態を中国漢方ではお血といい、中国漢方ではのオ血を改善するのに活血化オという方法を用います。

この方法は不妊の原因となる子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫や癒着などが起きるのを防ぎ、さらに骨盤の血流を改善し、新鮮な血液が十分に卵巣や子宮に行き渡るようにもします。これだけでも卵巣発育がよくなり、排卵や着床が促進されすべてが妊娠に有利な要因となる。この活血化オ薬として代表的な生薬は紅花、香附子、センキュウ、セキシャク、丹参などがあり、 漢方薬としては中国から輸入されている冠元顆粒(かんげんかりゅう)を始め血府逐お丸(けっぷちくおがん)というものがあります。

これらの漢方薬はオ血による不妊治療以外にも、更年期障害や生活習慣病の予防にも利用されています。

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