不妊症のおはなし|漢方のはなし

20.不妊と回乳

不妊の原因となる高プロラクチン血症は乳汁の分泌を促す催乳ホルモン・プロラクチンは授乳期でもないのに高くなってしまうことを指します。プロラクチンが高くなると、 卵子をつくるのに必要な卵胞ホルモンや卵胞促進ホルモンの分泌が低下し、卵がつくれなくなり、無排卵、さらに無月経になってしまう。人によっては乳汁が溢れることもあります。

プロラクチンの過剰分泌を抑える医薬品もあるが、副作用が出やすく飲めない方や、飲みたくない方に漢方でよく使われていてかなり有効性を示している炒麦芽(焦麦芽)を試してほしいと思います。

これは皮付きの麦を発芽させ弱火で軽く煎ったもので、大体一日30~50グラムを目安にそのまま煎じて、お茶代わりに飲むのが良いが、面倒な方は手軽に使える粉末状になっているエキスがあります。『晶三仙』(三仙茶)という名で日本にも輸入されいる。この晶三仙には麦芽以外に、サンザシ・シンギクといった消化を助ける生薬も配合されています。

サンザシには血行を良くする作用もあり、婦人科系の疾患にもよく使われる。 晶三仙は漢方の本場中国では焦三仙といい誰でも知っているポピュラーな漢方薬で、炒麦芽の効能を利用してプロラクチンを抑えて、異常な乳汁分泌を解消する(回乳)以外に、食欲不振・消化不良・高脂血症・肥満などにもよく使います。 中国の食卓で脂っこい料理や食べ過ぎの後に晶三仙を一服するのが習慣になっています。

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