不妊症のおはなし|漢方のはなし

10.第二子不妊

セカンド不妊という言葉があるように、二番目の子供がほしいと思ったときに妊娠できずに悩んだ経験を持つ方も多いのではないでしょうか。その理由の一つに、長い間、夫婦生活をしていると、 女性の子頚管粘液に抗精子抗体(精子を敵として誤認して攻撃する抗体)ができてしまい、その結果精子が子宮内に入れないということがおきてしまうことがあります。この場合の不妊治療方法として、 ステロイド剤、免疫抑制剤やアスピリンを使用しますが副作用などが心配です。

一方中国漢方では、ホルモンや免疫の調節作用の中枢である腎を補う漢方薬と決行を良くする活血薬を同時に使う方法を行います。

例えば、腎を補う漢方薬(補腎薬)は、月経周期の中で低温期に杞菊地黄丸、高温期に海馬補腎丸とよばれるものを使い分け、血行を良くする漢方薬(活血薬)では、田七人参や冠元顆粒などを使います。 また、その他の第二子不妊の理由として、第一子の妊娠、出産、産後そのものに原因がある場合があります。母体は妊娠中胎児を養い、出産では体力を消耗します。そして出血、産後の悪露排出、 子宮復旧、哺乳、育児は母体に負担となることが多いのです。そのために産後ではホルモンの働きが乱れたり低下したりし、血行が悪く(骨盤の血流)なるのです。つまり、 第一子の出産による体の消耗が第二子の妊娠をさせにくい体にしてしまうため、産後の養生としてまず母体が妊娠しやすいように体の状態を整える必要があるのです。

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