不妊症のおはなし|漢方のはなし
18.基礎体温の裏読み
基礎体温は二層性で安定している人は多いと思います。漢方医学では、西洋医学より基礎体温表からいろいろな情報を読むことができます。
幾つか例を挙げてみると、
(1)低温期と高温期のある二層性だが、二層ともに低い(体温の曲線は全体的に下寄り)あるいは高温期の上昇がいまいちで、低温期の落差が少ない。 これは西洋医学的には、特に問題視されませんが、漢方医学では、不妊の原因のひとつである「宮寒不妊」と言う状態と考えます。すなわち子宮が、 畑に霜が降りて冷えた状態で種が根をおろせないように、なかなか妊娠しません。これには、体や子宮を温める対策が必要です。日頃、体を冷やさないように。 特に月経中の冷たいものや短いスカート、生足は禁物。その上、体の温まる桂皮や生姜、ニンニクなどを常食にすると良い。更に効果を期待するなら是非、体を芯から温める婦宝当帰膠や温経湯などを使っていただきたい。
(2)低温期と高温期のある二層性だが、月経が来ても体温がすぐ下がらなく、全体として月経期の体温が高めのケースの場合。 漢方医学ではお阻胞宮といい、月経が来ても子宮をきれいに掃除できない状態。 新たな子宮内膜を充分につくれないのが問題。いわば、硬くて汚い布団を捨てずに、柔らかくてふわふわした新しい布団を持てないようなもの。治療として、月経期にお血を取り除く冠元顆粒と婦宝当帰膠を対として、五~七日間に使うのがよい。 養生法として、月経中にローズや紅茶をお茶代わりにのむのもOK。一見、問題のなさそうな二層性基礎体温でも、かっくれ不妊の温床になっている可能性もあり、要注意!であることはいうまでもありません。