不妊症のおはなし|漢方のはなし
8.不妊と子宮内膜症
今まで原因不明とされてきた不妊には、子宮内膜症によるものが多いのです。子宮内膜症は急増しつつある注目すべき疾患で、激しい生理痛・腰痛・排便痛・性交痛・月経以外の下腹痛などのつらい症状以外に、 不妊の大きな原因を占める。妊娠可能な女性の約10%が罹っているといわれれています。
また子宮内膜症は、簡単な検査ではわかりにくく、安易な排卵誘発剤や黄体ホルモンなどのホルモン剤使用で、悪化複雑化させるケースも多い。腹腔鏡やMRIなどの検査が必要でしょう。 ところで、最近注目されている治療法の一つに安全有効な漢方治療法があります。漢方不妊治療の最大の利点は、月経サイクルを正常に保ちながら治療できるという点だ。つまり無理に排卵を抑え月経を止めたりしないことです。
治療はまず排卵をしやすくする為、一般的に排卵予定日の2~3日前から10日間ほど、異常内膜増殖や出血・癒着を抑える働きを持つ、活血化お・消腫散結の漢方薬である冠元顆粒や血府逐お丸などを集中的に使用することが多いです。異常内膜組織を漢方ではお血ちょう積として捉える為です。
さらに着床を考慮し、優れた止血作用と癒着やしこりをとるという、相反する作用を併せ持つ田七人参を、7日~10日間使用します。田七人参は妊娠せずに月経期が来ても異常内膜からの出血や癒着を抑え、 内膜症による痛みを緩和します。また、次回妊娠しやすくする為、子宮内膜をきれいに剥離させる働きもあるのでお勧めです。