不妊症のおはなし|漢方のはなし

13.流産を制す

流産は、待望の懐妊の嬉しさも束の間となり心も体も深く傷つけます。中国漢方では大切な受精卵を守ってくれるのは体のエネルギーの源である『気』の仕事だと考えます。 即ち、切迫流産になっなことがある方や妊娠後下腹部が重くて痛む、もしくは帯下に血が混じるなど流産になりそうな兆候のある方は、気の働きが低下し、きちんと受精卵や胎児が子宮で保たれないからです。

また中国漢方では受精卵や胎児に絶えず十分な栄養を与えるのは『血』の働きだと考えるので、稽留流産の経験をされた方や、特に何ら自覚症状もなく出血もなく受精卵の成長や胎児の発育が知らずして 止まってしまった場合は、中国漢方では血の働きが不十分として捉えます。

せっかくの授かりものを流産から守るには、妊娠後だけでなく、日頃から気血の働きを高めるように努めるべきです。 この目的のために作られた漢方薬は「安胎」・「保胎」の薬という中国漢方の不妊治療を得意とするだけに、この類の漢方薬はとても多く、尚優れた効果があります。

有名な「泰山盤石散」は煎じて飲むタイプだが、手軽に使える漢方薬も他にたくさんあります。例えば、前兆で切迫流産の恐れがある時などは気の働きを高める補中益気丸を、稽留流産や、 その前兆が診られない方は、血を補う働きのある婦宝当帰膠・十全大補丸・帰脾錠などがあり、更に補腎薬として効果的な胎盤や参茸補血丸も良く用います。

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