不妊症のおはなし|漢方のはなし

16.不妊と周期療法

周期療法をご存知でしょうか?。約三十年前からこの治療方法は、中国漢方で最も有効かつ良く使われている不妊治療の方法です。
周期療法は今までの漢方治療と違い一ヶ月間同じ漢方薬を服用するのではなく、月経周期の排卵期・高温期・月経期・低温期という四つの時期に分けて漢方薬を使い分けるのが特徴だ。

 具体的には個人に合わせた方法が必要だが、一般的に、

(1)月経期・・・子宮内膜や月経血をスムーズにすっきり排出させるために、活血化お薬である冠元顆粒を使用する。
(2)低温期・・・卵子の成熟を促しより良い卵子を作るため、更に受精卵が着床しやすいように、より厚い子宮内膜を作るために補陰薬・養血薬を強化する。よく使う漢方薬は、婦宝当帰膠・参茸補血丸・杞菊地黄丸などがある。
(3)排卵期・・・卵子がスムーズに排出されるための理気薬・補腎薬を集中的に使う。星火逍遥丸と参茸補血丸を合わせると良い。
(4)高温期・・・子宮内膜の分泌を促進し受精卵が着床しやすくし、更に着床した受精卵に十分な栄養を送り込むために補腎薬を惜しみなく使う。至宝三鞭丸や海馬補腎丸は効果が高い。
この治療方法はある程度月経周期が正常な方に適用され、不妊治療初期よりも月経周期が整う後期に適している。

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