不妊症のおはなし|漢方のはなし

7.不妊と生理不順

厳密に言うと生理不順とは月経周期が一定しないことを指します。実はこれが不妊と深く関わっているのです。月経周期は個人差があるものの、医学的には通常25~38日間とされているが、 漢方ではむしろ周期の変化を重視します。周期が25~26日間だった人が32~33日間になった場合、周期が正常な範囲内でも、漢方ではこの7~8日間の変化を体に何らかの異変が起きている前兆ととらえ、 本格的な病気になる前に先手を打って防ごうとします。これが未病先防という中国漢方における基本的な考え方でです。

実際、基礎体温では低温期と高温期がはっきりと分かれていない、低温期が長い(15日間以上)、高温期が短い(13日以下)などと不妊に関係する現象が現れます。つまり生理不順の背景には、 無排卵性月経、卵子の質が悪い、排卵がうまくいかない、黄体ホルモン(高温期維持に必要)の働きが悪いなどの危険性が潜んでいるかもしれないのです。これらの状態を漢方では気血両虚や腎虚という虚証 (働きが低下している)に属すると考えます。

ここで漢方薬の得意である(補う)方法(ホルモンの働きを良くして卵子や子宮の働きを高める)が登場します。おなじみの婦宝当帰膠や星火逍遥丸はもちろん、三十半ば過ぎの人や今までにホルモン治療を 受けた人には、参茸補血丸(さんじょうほけつがん)、双料参茸丸(そうりょうさんじょうがん)、海馬補腎丸(かいまほじんがん)でさらに効果的になります。

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