不妊症のおはなし|漢方のはなし

17.体外受精と中国漢方

西洋医学の不妊治療の最前線となる体外受精を受けている方は増えつつります。高額の費用がかかる上に、女性の体に負担をかける事も多いのです。排卵誘発剤を始めとする多くのホルモン剤も言うまでもありません。 中国漢方では、そもそも一ヶ月一個の卵しか作らない卵巣に一度に複数の卵子を作らせるのはかなりの消耗になると考えられます。

毎回複数の卵子を作っていくうちに、卵巣は疲れ、だんだん良質な卵子を作れず採卵が困難となる。そうなれば子宮内膜もなかなか厚くならず、 高温期の上昇が遅れ期間も短くなり卵を戻しても着床せずに失敗をくり返す事になります。せっかくの最先端の技術が無駄にならないように疲労しがちな卵巣を補い体調を整えたほうが賢明です。

その時は参茸補血丸という動物生薬の入った漢方薬がもっとも有効だが、他に杞菊地黄丸に紫河車を加えても良いです。できれば低温期だけでも使ってほしいですね。この方法により体外受精でなかなか成功しないカップルに朗報をもたらす事は私自身が多く経験しています。 これは人工授精にも当てはまる。頻繁の通院や痛みを伴う採卵や高度な技術への期待が高い故に成功しない時の強い失望・喪失感などは心に負担をかける事が多いのです。 あせりや苛立ちを抱え込まないように心の余裕を持つことが大切です。このような時に不安感やイライラを和らげてくれるシベリヤ人参茶など薬草茶を日頃のお茶代わりにおすすめします。

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