不妊症のおはなし|漢方のはなし
22.無排卵周期と不妊
生理がくればもう安心、と思っていませんか?実際には、生理がきても排卵しないケースがあります。無排卵周期症または排卵障害といい、卵巣で卵子は発育できるが排卵まで至らない。 勿論妊娠もできない。不妊の女性の約一割弱を占めています。 原因は、精神的な緊張、ストレス、急激な環境や気候の変化、過労、栄養不良、病気など。西洋医学的には、まず排卵誘発剤のクロミットを使うが、2~3割が無効なので 、下垂体性腺刺激ホルモン(HMG)を使うしかない。HMGは注射剤なので、一週間前後毎日通院する必要があり、仕事を持つ方にはかなりの負担となります。 また、これらの注射剤で排卵が起こっても、多胎妊娠の可能性もあり、たとえ排卵をおこしても妊娠率が2割程度にとどまることがある。このような場合は漢方薬利用も考えるべきです。
無排卵周期症最大の特徴は、月経量が極端に少なく、月経周期が長いことです。場合によっては、無月経や不正出血もある。漢方的に、これらの症状は『精血不足』と言って、当帰が血を補う主薬として 惜しみなく使わなければなりません。そのため当帰の含有量が圧倒的に多い婦宝当帰膠が優れている。そのうえ腎精を補うのに杞菊地黄丸や参茸補血丸を加えます。
排卵が起きやすいように、月経の12~3日目から5日間、さらに(理気活血)の漢方として冠元顆粒を主体に、少し逍遥丸を加えれば完成。驚くほど早く効果が現れることもしばしばです。