狭心症 | お身体の悩み

漢方医学

漢方では、狭心症は「お血」と考えています。「お血」とは中性脂肪コレステロールなどで血が汚れて、血流が悪くなっている状態をいいます。
このような狭心症の症状を改善するのに、汚れを取り除き血液をサラサラにして、血流の流れをよくする漢方薬を用います。
狭心症の発作が起きてから用いるのが、ニトログリセリンなどの西洋薬なら、発作が起きないよう根本的に改善するのが漢方薬の特徴といえます。
ラッキョウがよく狭心症の発作に効果があるといわれていますが、狭心症によく使われる漢方薬で、このラッキョウを主成分にしたカロガイ白白酒場(カロガイハクハクシュトウ)という処方があります。
また、中世薬では冠元顆粒(カンゲンカリュウ)という処方があります。この処方は血流が固まるのを防ぎ、血行を改善する作用がすぐれているので、狭心症からくる胸部の痛みを抑え、血圧を安定させる効果があります。

※漢方を服用する場合は、自己判断せずに、漢方の専門知識のある医師、薬剤師に相談しましょう。

実例はこちら↓

漢方医学

西洋医学

心臓は心臓の筋肉よって、全身に血液を送るポンプのような働きをしています。狭心症は、心臓の筋肉に十分な血液が流れなくなり、心臓の働きが低下したことで起きる病気です。
心臓の筋肉には冠動脈という血管があり、この動脈を流れる血液から酵素や栄養の供給を受けて、休むことなく動いています。狭心症は一時的に血流が悪くなるだけなので、血流が回復すれば1~2分、長くても数分で症状が改善されます。
心筋梗塞の場合は、狭心症よりも発作の痛みが激しく長い時間続きます。処置が手遅れになれば死に至ることも少なくありません。
狭心症の主な症状は、胸が締め付けられるような痛みですが、左側の肩や腕が痛んだりしびれたりすることもあります。また、背中や歯など胸以外の部分が痛くなることもあります。
西洋医学では、ニトログリセリンなどがよく用いらてます。狭心症の発作を抑えるには効果的な薬です。しかし、根本的な治療にはなりません。

実例はこちら↓

西洋医学

日常生活

狭心症の発作に襲われたら、まずは安静にすることが大切です。特に運動中などに発症したらすぐに運動をやめて、安静を心がけてください。通常2~3分、長くても10分程度で発作はおさまります。
喫煙や過度の飲酒を避け、塩分の取りすぎなどには注意してください。コレステロール値の高い方や肥満体質も危険な要素となります。
※医師・薬剤師に、ご相談の上服用してください。

実例はこちら↓

日常生活

狭心症の漢方の実例

動脈硬化症の狭心症の症例

女性 63歳 狭心症、高血圧

肥満体型の小柄な方です。もともと動脈硬化と高血圧の持病があり、血圧と動脈硬化症の薬を10年以上前から服用しているとのことでした。
ただ、最近になって胸が圧迫されるような痛みに襲われるようになりました。はじめのうちは2~3ヶ月に一度だった発作が、一ヶ月に1~2回の頻度で起きるようになりました。
かかりつけの病院で狭心症と診断されて薬を処方されましたが、できればこれ以上病院の薬には頼りたくないと思い来店されました。
この方はヘビースモーカーで甘いものや塩分の多い食事が多く、食生活も決してよいとはいえませんでした。食生活や日常生活での注意をいつかすると同時に、血をサラサラにして心臓の働きを改善する狭心症の漢方薬を一ヶ月分処方しました。
一ヵ月後に来店したときには、狭心症の症状が安定してきたとのことでした。その後も同じ漢方薬を服用して、2ヶ月後には狭心症の発作は一度も起きなくなりました。その後は徐々に血圧も安定して、降圧剤の量も少なくなったとのことです。

ストレスによる狭心症の症例

女性 42歳  狭心症

色白でやや細身の女性です。もともと身体も丈夫なほうではなく、めまい、動悸や息切れがしやすいとのことでした。
数ヵ月前から、仕事上にストレスや疲労が重なり、時々胸の痛みを感じるようになりました。しだいに痛みが強くなってきて、ひどいときはうずくまるようなこともあるとのことでした。
病院で診察を受けたところ、軽い狭心症と診断されました。この方はもともと胃が弱く、市販の風邪薬や鎮痛剤を服用してもすぐに胃がもたれてしまいます。そこで、漢方薬を試してみたいとのことで、来店されました。
この方は、普段から疲れやすく風邪もひきやすいので、身体全体の血の巡りをよくし、水分代謝をよくする狭心症の漢方薬を処方しました。
はじめの一ヶ月は変化はありませんでしたが、2ヶ月の服用が終わるころには以前のような胸の痛みを感じなくなりました。また、疲労やストレス、めまいも以前に比べるとだいぶ楽になってきたとのことでした。
その後も、同じ処方を続けていますが、非常に調子がよいとのことです。

長年にわたる狭心症の症例

男性 65歳 狭心症

普段から胃腸が弱く、疲れやすい方です。今までも口内炎ができやすかったのですが、今回は一ヶ月近く治らずに、つらいということで来店されました。
口内炎の数もだんだん増えてきたとの事です。

見た目は中肉中背で中間タイプに見えたのですが、症状をうかがうと冷え性、胃腸虚弱、疲れやすい、下痢をしやすいなど虚弱タイプでした。

漢方としては虚弱タイプの漢方薬で、胃腸の働きを高め、身体に元気をつける(気を高める)薬を10日分処方しました。

漢方に「口腔は脾(消化器)に支配される」という言葉があり、口内炎は胃腸の機能を高めることで、改善されます。

10日後に来店されたときに、服用して3日ぐらいで痛みが治まり、10日分を服用し終わる頃にはだいぶよくなったとのことでした。
さらに10日分を服用していただき、完治したので服用を中止しました。

狭心症の発作が、漢方薬で改善

女性 45歳 狭心症

三年前に循環器内科で狭心症と診断されました。

薬を処方されたのですが、めまい、頭痛、吐き気などの副作用が強く飲めません。

発作は動悸からからはじまり、胸の圧迫感と痛み、ひどい時は心臓をギュッと掴まれるようになり、息苦しさで咽が詰まるとのことです。

漢方薬で少しでも症状が改善したいとのことで来店されました。

この方は、毎日服用していただく漢方と発作のある時に服用していただく漢方と、二種類をお渡ししました。

最初の10日間はあまり変わりがなかったそうですが、半月を過ぎるころから症状が徐々に楽になってきたとのことでした。

一ヶ月後に来店した時には、発作の頻度が1/3程度になり、胸の圧迫感や息苦しさもかなり良くなってきました。

半年後には発作で苦しむこともほとんどなくなりましたが、用心のため服用回数を減らしながら、現在も漢方薬を継続しています。

お身体の悩み