不眠症 | お身体の悩み
漢方医学
漢方には西洋薬のような副作用の心配はなく、安心して服用することができます。ただし睡眠薬や安定剤のような即効性は期待できないので、ある程度の期間服用しなければ効果がありません。しかし、漢方薬のよさは不眠症そのものを一時的にではなく、根本から改善できる点にあります。
不眠症に対しても、漢方の場合ガッチリタイプ、中間タイプ、虚弱タイプの体質に分けることができます。ガッチリタイプの不眠はもともと健康な人が、食べすぎや飲みすぎで栄養過剰となり、その結果、のぼせ、興奮しやすい、イライラなど身体に熱がこもって不眠となるケースです。この時は熱を冷まし、神経を安定させる処方をつかいます。
また、虚弱タイプは体が弱く疲れやすい人、長期に心労が続いている人、病み上がりの人、産後の人、高齢者などが過剰なストレスを受けたときなどに不眠になるケースです。この時は体力を回復させて、精神を安定させる処方を使います。
中間タイプはガッチリタイプでも虚弱タイプでもなく、まさにその中間にある場合です。
自分の体質に適した漢方処方を服用すれば、季節に関係なく熟睡を得ることができます。それほど重症でなければ、新薬に頼る前に漢方薬を試すことをおすすめします。
※漢方を服用する場合は、自己判断せずに、漢方の専門知識のある医師、薬剤師に相談しましょう。
西洋医学
最近、市販の睡眠薬のコマーシャルをよく見かけます。販売元の製薬会社も、おもわぬ反応の大きさに驚いていると聞きます。
不眠症で悩んでいる方は、非常に多く、とくに精神的なストレスが原因にあげられます。
不眠症のタイプには、次のようなものがあります。
●ストレスによる不眠症
A.生活のリズムの乱れから起こる不眠症(時差ボケ、夜勤勤務など)
B.神経症による不眠症
C.薬物やアルコールなどの依存症による不眠症
D.脳血管障害による不眠症
などに分けられます。
治療としては、睡眠薬や精神安定剤が用いられます。効果はよく、即効性があるのですが、副作用として習慣性や依存症、肝臓障害を起こしやすくなります。
日常生活
不眠症には、寝るのにリッラクスすることが、大切です。入浴するときには、ぬるめの湯にゆっくり入り、一日の疲れをとりましょう。静かな音楽を聴くのもよいでしょう。
カルシウムには、神経を鎮める効果があります。寝る前に温かい牛乳などを飲むのもよいでしょう。
※医師・薬剤師に、ご相談の上服用してください。
不眠症の実例
長年不眠症で悩んできましたが、眠れるようになってきました
男性 不眠症
数年来、不眠症で悩んでいるという男性です。
眠れないだけでなく、食欲不振、肩こり、疲労感、耳鳴りなどの症状もあります。
心療内科では、いろいろな睡眠薬や安定剤などを処方してもらいましたがよくなりません。
また、効果の強い薬だと副作用の心配もあるので、使いたくはないそうです。
漢方薬で、自然に改善できるのであれば試してみたいとのことでした。
痩せ型で顔色も少しくすんでいて、見るからに生気が感じられません。
また、目も充血していて疲労感があります。
そうしたことから、この方には体力を補い、精神を安定させるような漢方薬をお出ししました。
一ヶ月ほど服用すると、食欲が出てきて肩こりや頭痛が軽くなってきたそうです。
また、寝つきがよくなり、5時間くらいは熟睡できるようになってきました。
その後も服用を続けていますが、徐々に安眠できる日が多くなり、体力も回復してきているとのことです。