高プロラクチン血症 | お身体の悩み
漢方医学
漢方では、高プロラクチン血症の不妊症は腎(腎臓、泌尿器系、生殖器系)や肝(肝臓、中枢神経、自律神経系など)の機能が衰えているととらえています。
不妊症の原因になる、ストレスは漢方では肝の機能が衰え、気の巡りが悪くなった状態と考えています。
このような場合、気の巡りをよくする漢方薬を用い、肝機能を正常にもどします。肝の機能が衰えると、「血」のめぐりが悪くなります。また、腎が衰えると、ホルモンバランスが悪くなったり、生理不順などの症状がみられます。これらも不妊症の原因となります。
肝、腎は互いに密接な関係にあり、片方がバランスを崩すと、もう片方も悪くなります。不妊症の治療には、両方をバランスよく治療していく必要があります。漢方薬を的確に組み合わせた不妊症の漢方治療として、周期治療があります。周期治療は、基礎体温をもとに、一人ひとりの症状にあった漢方薬を、適切な時期に組み合わせていく不妊症の治療法です。
自己判断で服用するよりは、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談し、症状に適した処方を服用することをおすすめします。
※漢方を服用する場合は、自己判断せずに、漢方の専門知識のある医師、薬剤師に相談しましょう。
西洋医学
不妊症は様々な原因が絡み合って起こるケースが多いのですが、その原因のひとつに高プロラクチン血症があります。
妊婦の末期になるとプロラクチン(PRL)というホルモンが多く分泌されるようになります。プロラクチン(PRL)は乳汁をださせるホルモンで、出産後赤ちゃんに母乳をあげるためにかかせないホルモンです。でも、授乳期間以外にプロラクチンの分泌が高まると、排卵を抑える作用があるので不妊症の原因となります。これが高プロラクチン血症です。
高プロラクチン血症になると、胸が張りやすい、妊娠をしてもいないの乳汁が出る、生理前にイライラが強くなるなどの症状が出やすくなります。原因としては、脳下垂体の腫瘍、甲状腺などの病気、薬によるもの、ストレスなどあげられます。
西洋医学では高プロラクチン血症の場合、プロラクチンの分泌を抑えるバーロデル、テルロン、カバサールなどの新薬を使うケースが一般的です。しかし、これらの薬には吐き気やめまい、ふらつき、便秘などの副作用もあるため、服用できない方も多く見受けられます。
また、プロラクチンの値は正常になっても、黄体機能が戻らずに妊娠できない場合もあります。
日常生活
日常生活についてですが、日々のストレスはなるべくためないようにしましょう。散歩、スポーツや趣味などでストレスを発散するようにこころがけてください。
ぬるめのお風呂に、ゆっくりつかるのもよいでしょう。
※医師・薬剤師に、ご相談の上服用してください。
高プロラクチン血症の漢方の実例
イライラ感の強い高プロラクチン血症の症例
女性 34歳 高プロラクチン血症
30歳のときに結婚し、妊娠を希望してきましたが、2年間妊娠することはありませんでした。
その後、病院で検査を受けたところ、高プロラクチン血症と診断されました。テルロンを処方されましたが、吐き気や胃もたれなどの副作用が強く、服用することができません。
医師からホルモン治療をすすめられましたが、自然妊娠を希望とのことで来店されました。
仕事上、イライラすることが多く、生理が近くなると胸が張ったり怒りっぽくなります。基礎体温は、ストレスになるので付けていないとのことでした。
この方はプロラクチンの値を下げて、ホルモンバランスを調えながら妊娠しやすい身体作りができるように、漢方の不妊治療である周期療法をおすすめしました。また、イライラ感が強いので、精神を安定させる漢方薬を入れました。
2~3ヶ月でプロラクチンの値が安定し、以前よりもイライラしたり、怒りっぽくなることが少なくなってきました。
周期療法を始めて10ヶ月後に妊娠を確認し、無事に元気な男の子を出産しました。
冷え性の高プロラクチン血症の症例
女性 31歳 高プロラクチン血症
結婚当初から、妊娠を希望していましたが4年間、妊娠することはありませんでした。病院で検査を受けたところ、高プロラクチン血症と診断されました。
基礎体温は、高温期へ階段状に上昇し途中で落ち込む傾向があります。生理前はイライラしたり、胸が張ります。
かなりの冷え性で、生理時は血塊があります。
この方は、周期療法という漢方の不妊治療を行いながら、プロラクチンの値を自然に下げる漢方薬を処方しました。
周期療法を始めて一ヶ月後には、生理前のイライラや胸の張りが楽になってきました。その後、病院で検査を受けたところ、プロラクチンの値も正常になりました。また、周期療法は血行をよくするので、身体も温まり冷え性がよくなってきたとのことです。
その後も、周期療法を続けて4ヶ月後に自然妊娠、無事女の子を出産しました。
基礎体温がギザギザの高プロラクチン血症の症例
女性 36歳 高プロラクチン血症
結婚して5年間たちますが、子宝に恵まれないとのことで、ご夫婦で来店されました。
ご主人は、精子の数が少なく運動率も悪いです。奥さんは、高プロラクチン血症で子宮筋腫があります。
婦人科に通院していますが、なかなか妊娠することができず、漢方薬も併用したいとのことです。
基礎体温は二相に分かれていますが、ギザギザで決して良い形とはいえません。
ご主人には精子の数を増やし運動率を高める漢方を。また、奥さんにはプロラクチンの値を下げる処方を組み入れて、漢方の不妊治療の周期療法を始めていただきました。
ご主人は、一ヶ月の服用が終わるころから効果が出始めました。奥さんも周期療法を始めて2ヵ月後には基礎体温が調い始めました。
その後、妊娠、無事に元気な女の子を出産しました。
高プロラクチン血症と診断され悩んでいましたが、漢方薬を服用して体調を整え自然妊娠
女性 30歳代 高プロラクチン血症
結婚して5年になります。結婚した当初から赤ちゃんを望んでいますが、まだ妊娠したことはありません。
クリニックで詳しく検査をしたところ、高プロラクチン血症と言われました。
テルロンという薬を処方されましたが、めまい、胃もたれなどの副作用があり、服用できません。
できれば、漢方薬でプロラクチンの値を下げて、妊娠しやすい身体がしたいとのことでした。
症状を詳しくお聞きしたところ、怒りっぽく、生理前になるとひどくイライラして、胸も張って痛くなるそうです。
また、冷え性で生理痛が強いとのことでした。
相談の上、生理周期に合わせて妊娠しやすい身体作りができるような漢方薬をお出しすることにしました。
高プロラクチン血症の改善ができるような漢方薬も併用していただきました。
漢方薬を服用し始めてからは、身体が温まりイライラすることが少なくなってきました。
生理痛も少なく、気持ちも穏やかになってきたそうです。
三ヶ月後にクリニックで検査を受けたところ、プロラクチンの値も正常値になっていました。
それに伴って、不安感やイライラが大分改善されたそうです。
そして、その三ヶ月後に自然妊娠、心拍を確認することができました。
その後は、妊娠中でも安心して服用できる漢方薬をお出しして、体調を整えていただき元気な男の子を出産しました。
この方は、なかなか妊娠することができずに、ご主人にあたってしまうこともたびたびあったそうです。
でも、漢方薬を服用してからは、不思議と気持ちが落ち着いてきて、ご主人にあたる回数が極端に減ってきたとのことでした。
そうしたこともあり、ご夫婦の関係も良くなってきたのかもしれませんね。
元気な男の子を授かって、良かったですね。
お幸せに!
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で高プロラクチンでしたが、漢方薬を服用してから改善
女性 20代後半 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) 高プロラクチン血症
半年以上先ですが、結婚予定とのことです。
もともと生理不順があったので、婦人科で調べたところ多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性があるとのことでした。
ホルモン値のFSHは正常ですが、LHは高いです。
プロラクチンの値も高く、このままでは妊娠しにくいと言われたそうです。
生理周期は40日~50日で、生理前にはイライラしやすく胸も痛くなります。
基礎体温を見せていただきましたが、なんとなく二相にはなっているものの、凸凹した波形で乱れた状態です。
ホルモン剤も服用していますが、あまり変化がないので、漢方薬を一緒に服用してみたいとのことでした。
漢方薬を服用してから、それまで高かったLHの値が正常に近づいてきました。
生理周期も35日~40日の範囲でくるようになり、プロラクチンも下がってきたとのことです。
基礎体温表も凸凹が少なくなり、比較的きれいな二相になってきました。
まだ結婚は先ですが、体調が良くなっているので、少しずつでも妊娠しやすい身体作りをしていけたらとのことです。
結婚したら、ぜひお子さんがほしいとのことでした。
少しずつですが、希望の光が見えてきたと喜んでいた笑顔が印象的でした。
まだまだこれからですが、一歩ずつ頑張っていきましょう。
PMSで高プロラクチン血症でしたが、赤ちゃんを授かることができました
女性 37歳 高プロラクチン血症
不妊治療を始めて、7年になるそうです。
途中で病院を変えたのですが、そこで高プロラクチン血症といわれました。
PMS(月経前緊張症)だけだと思っていたのに、高プロラクチン血症も言われてショックだったそうです。
クロミッドとテルロンを処方されましたが、テルロンは副作用がひどいので、止めました。
生理前のイライラや胸の張りが強いのですが、こうした症状を改善して、妊娠したいとのことです。
生理痛が強く、生理前になるとかなりイライラするとのことでしたので、最初はPMSの症状を改善することを目標に、漢方薬をお出ししました。
一ヶ月で、生理前のイライラや胸の張りがかなり軽くなったそうです。
生理痛も、今までにないほど楽だったとのことです。
ガタガタだった基礎体温も、きれいに二相になってきました。
できれば、自然妊娠を希望しているとのことでしたので、不妊クリニックの通院は止めました。
その後は、生理周期に合わせた漢方薬をお出ししましたが、三周期で自然妊娠したとのことです。
その後は、お腹の赤ちゃんが元気に育つように組み合わせを変えていただき、かわいい女の子を出産されました。
来店したころは、ややイライラしている様子も見られましたが、漢方薬を服用してからは、気持ちが落ち着いてきたようです。
また漢方薬を服用して、二人目も授かりたいとのことでした。
幸せな家庭を築いてくださいね!