鼻の風邪 | お身体の悩み
漢方医学
漢方では鼻の風邪をひいた場合、その初期症状で二つに区別して考えます。
熱っぽさを感じる熱症状の風邪、ゾクゾクとした寒気を感じる寒症状の風邪があります。
熱症状が強い風邪は、鼻がつまったり黄色や緑色の濃い粘り気のある鼻水が出ます。このようなときは、熱をさまし鼻の炎症を抑える漢方薬を用います。
寒症状が強い風邪は、クシャミがでたり、水っぽい透明な鼻水が出ます。このような症状の時には身体をあたため、余分な体内の水をだす漢方薬を用います。
※漢方を服用する場合は、自己判断せずに、漢方の専門知識のある医師、薬剤師に相談しましょう。
西洋医学
朝、晩の冷え込むこの時期になると、日中との寒暖の差が大きく、風邪をひく方が見かけられるようになりました。風邪はウィルスが、鼻やのどの粘膜を通って感染します。
風邪にもいくつかのタイプがあります。咳の風邪、鼻の風邪、下痢の風邪などです。
鼻風邪はクシャミ、鼻水、鼻づまりなどですが、その大部分がひき始めは軽い症状です。ただし、早いうちに治さずにこじらせてしまうと、急性鼻炎、さらには慢性の副鼻腔炎(蓄膿症)などに移行する場合もあります。風邪をひくと、鼻やのどの粘膜が炎症を起こしやすくなります。鼻が炎症を起こしているのが鼻炎です。
日常生活
最近、冷たい飲食物の取りすぎで、内臓が冷えている方が増えています。そのため、肺の機能が弱って、風邪をひきやすくなっています。
冷えの鼻かぜをひきやすい方は、食事の内容を温かいものに変えるだけでも、風邪をひきにくい体質へと変えることができます。
鼻やのどの粘膜に風邪のウィルスが感染しても、風邪をひく方とひかない方がいます。これは、一人ひとりの免疫力の差です。わたしたちは、食生活、運動、漢方の服用などによって、免疫力を高める身体づくりをしていく必要があります。
※医師・薬剤師に、ご相談の上服用してください。
鼻の風邪の漢方の実例
なかなか止まらなかったクシャミや鼻水が、漢方薬で改善しました
女性 50歳代
一ヶ月くらい前から、朝起きた時や夜になるとクシャミや鼻水が出るようになりました。
しばらくはそのまま放っておいたのですが、良くもならなければ悪くもなりません。
ドラッグストアで相談して、市販の鼻炎薬を買って服用しましたが、良くはなりませんでした。
しかし、いつまでも放っておくわけにもいかず、漢方薬を試してみたいとのことで来店されました。
症状をお聞きしたところ、かなりの冷え性にもかかわらず、生ものや冷たい飲み物などを摂り過ぎて胃腸が冷えています。
そこでこの方には、胃腸を中心に身体を温めて、クシャミや鼻水などの症状が改善できるような漢方薬をお出ししました。
また、冷たいものや生ものの飲食は控えるように、アドバイスをさせていただきました。
半月後に再来店された時には、だいぶ楽になってきたとのことです。
漢方薬を服用した翌日から、クシャミの回数が半分くらいに減り、鼻をかむ回数も少なくなりました。
二ヶ月後には、ほとんど改善したとのことなので、しばらく服用は中止して様子を見ることにしました。
いびき、鼻炎、耳鳴りなどの症状がありました
男性 50歳代 いびき、鼻炎、耳鳴り
ご夫婦で来店されましたが、ご主人のいびきがひどいとのことです。
また、鼻炎や耳鳴りでも悩んでいるとのことでした。
奥様の話によると鼻炎の症状がひどい時は、特にいびきもひどくなるそうです。
耳鳴りは40代の頃からあり、耳鼻科にもいきましたが、まったく変わらないとのことでした。
いびきの原因は鼻炎かもしれないと思い、鼻炎を改善できるような漢方薬をお出ししました。
一ヶ月の服用で、鼻炎の症状は軽くなってきたとのことです。
しかし、いびきはあまり変わりません。
同じ漢方薬をお出ししていましたが、3ヶ月ほどするといびきをかかない日が増えてきました。
半年の服用で鼻炎も良くなり、いびきもほとんどかかなくなりました。
ただ、耳鳴りは変らないとのことです。
ご主人がいびきをかかなくなったことで、奥様は熟睡できるようになったと、喜んでいただいています。
その後は、耳鳴りの改善に向けて漢方薬の服用を継続中です。